脱SEして文筆家になった人

過去ログ。twitter共に不定期更新。

【祝・羽生竜王】前人未到で史上初の永世七冠を達成した理由【将棋・羽生善治】

スポンサーリンク
スポンサーリンク

なぜ、彼は未だ誰も到達していなかった歴史的快挙・永世七冠に至ることができたのか。

将棋と言えば、この国において、老若男女問わず誰もが必ず一度は見たり、聞いたり、触れたり、興じたりした経験があるであろうメジャーなものだ。

藤井聡太氏の破竹の29連勝で話題となった今年の将棋界を締めくくるに相応しいビッグニュース。それが今期竜王戦における新竜王誕生である。

 

羽生氏が実質的に王手をかけたタイトル通算100期含め、これまでの幾多もの戦績・成績は、長い将棋の歴史における輝かしい金字塔であり、至宝であり、そしてまたそれらはどれもが未来永劫破られることのない大記録といっても決して過言ではないだろう。

 

そもそもなぜ羽生善治氏は、ここに至るまで永世竜王資格を得ることができなかったのだろうか。竜王戦が苦手とされ、もう可能性がないとさえ言われた時期もあった。

それは今回の七番勝負の相手であり、長年の好敵手である渡辺明氏がいたからである。

 

つまり、なぜ幾度もチャンスをつかみながらもこれまで羽生氏が永世竜王になれなかったのかを紐解くとき、それは羽生氏がなぜ勝てないのか、と同時に渡辺氏がなぜ負けないのか、すなわち強いのか、という問いに行き着く。

 

遡ること2008年、初代の永世竜王を決める羽生-渡辺の七番勝負。誰もが忘れもしない羽生氏の3連勝後の4連敗があった。

そう、渡辺氏はこの頃から既に、ただ単純に強かったのである。その後の戦績を見ても、羽生氏は一時負け越しを許したこともあるほどの相性の悪さもあるだろう。

 

これには渡辺氏の、いわゆる羽生愛ゆえの熱の入れように由来する部分もあるかもしれない。ただ少なくとも言えることは、羽生ファンにとっては間違いなく渡辺氏はヒール役で宿敵であるということだ。

 

そんな二人の対決が行われた竜王戦とは一体どんなものなのか。

あえて端的に言ってしまえば、将棋界の最高峰のタイトルであり、他のタイトル戦に比べて実に長丁場であり、棋力のみならず体力的にも負担の大きいトーナメントである。

そしてその頂点に一度君臨した者を破り、その座から引きずり下ろすことはとても難しい。

 

なぜなら竜王に挑戦する者は、たくさんの棋士の中でたった一人だからである。対する竜王は、ごくごく単純化して言ってしまえばその一人に対してだけ、七番勝負に絞って、研究し対策を練ればよい。

逆に挑戦者たちにとってはそうはいかない。現役竜王はもちろんのこと、そこに辿り着くまで数多のライバルたちを打ち破る必要があるからだ。

 

竜王戦が、棋士達を、またファンたちを魅了する理由の一つに桁違いに高額な賞金がある。前身の十段戦の頃からの名残である。

必然的にそれは時に白熱した死闘を生み出し、棋士たちが熱を入れるであろう優先順位は高くなる。

 

渡辺氏はそんな竜王戦で以前9連覇を達するほどに、プライオリティを割いた対策、コンピュータによる研究と自身の棋力ステータスの全振りを行ってきたから強いのである。

 

ここで、そんな渡辺氏を今回破ることに成功した羽生氏がなぜ強かったのかを振り返る前に、永世七冠というものを少しおさらいしておこう。

 

羽生氏がもつ永世称号は今回このようになった。実質は永世称号8つの八冠である。

十九世名人(引退後)、永世王位(引退後)、名誉王座(引退後or還暦後)、永世棋王(引退後)、永世棋聖(引退後)、永世王将(引退後)、名誉NHK杯選手権者、永世竜王(引退後)である。

ごく近い将来、このラインナップにいずれ創設されるであろう永世叡王位が加わることを期待したい。

 

ちなみに、将棋と同じく日本ではメジャーなテーブルゲーム、囲碁界においては、井山裕太氏が、棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段の史上初七冠独占という偉業を達成している。

 

さて、いよいよ本題である。羽生氏はなぜ今回永世竜王資格を得るに至ったのか。

 

その問いへのシンプルな答えは、彼が序盤、中盤、終盤、隙がない将棋星人だからである。言わずと知れた羽生震えも、将棋星人ならではの勝利の方程式・ルーティーンの一種なのだろう。

いや、決してふざけているわけではなく、正直そうとしか言えない人物なのだ。それが、羽生善治という人を表すときに最も適した言葉であろう。

 

衰え知らずで常に全盛期、仮にも将棋星人が、今期の竜王戦のために満を持してステータス全振りして挑んできたら、それはこの世の誰にも勝ち目がないのは明明白白だ。

 

ところで筆者は、幼少の頃、ひふみんこと加藤一二三の指南本を読んでみたり、駒の動かし方と穴熊程度しか習得していないド素人である。

そう、勝利の分析なんてはなっからそもそも無理なのだ。よって上記はすべて単なる戯言である。きれいさっぱり忘れてほしい。

 

いずれにしても、これだけは誰もが確実に言えることであろう。

「祝・永世七冠」「羽生竜王おめでとう」と。

 

それでは全国1億3千万人の将棋ファンの皆さま、よい将棋ライフを!