老舗総合ペット用品メーカー、マルカン。
サンライズブランドを持ち、近年ではイヌネコ用のペットフードにも力を入れていて、個性的な商品がある。
療法食は作っておらず、一般普通食のみであるが、つい最近には各メディアで話題になったAIM30を発売するなど、キャットフードに対してラインナップが充実しつつある。
ナチュラハシリーズ
グレインフリー(穀物不使用)、そして具材には魚を100%使用していることが特徴。
発色剤、酸化防止剤、着色料は不使用の無添加。
成猫用とシニア用に大別され、各風味がラインナップされている。
かつお・まぐろ、かつお・まぐろ・たい、かつお・まぐろ・舌平目、かつお・まぐろ・鮭、かつお・まぐろ・白身魚、かつお・まぐろ・あじ、の計6種。
タンパク質は8.5%以上、シニア猫用は8.0%以上でグルコサミン・コンドロイチンが追加されている。どれもリン・ナトリウムの表記は無い。
ウェットフードパウチのみ。総合栄養食。なお、原産国はタイ。
ザ・パーフェクトワン
ドライフード。総合栄養食。
大阪大学の産業科学研究所で開発されたケイ素食品剤「レナシアプラス」が配合されている。
腸内において水素を発生させ、活性酸素と結合、余ったシリカは便として排出されるという仕組みなようだ。その他、アガリクス・セサミンが抗酸化作用を補助する。
水素還元による健康効果をうたった商品は多いが、キャットフードとしては珍しい。
少なくともイヌにおいてはオゾン療法などで、活性酸素へのアプローチは動物病院でもなされている。
風味はチキン&まぐろ入りのみだが、各ネコの状態に向けた商品がラインナップされている。
成猫用、室内成猫用、室内成猫用避妊去勢後、室内シニア、室内シニア避妊去勢後の計5種。
タンパク質は26.0%以上、リンは0.9%、ナトリウム表記は無い。
AIM30
近年ネット上を中心に話題になったシリーズ。
ネコの体内で上手く働かないAIMという血中タンパク質を、活性化させるA-30というアミノ酸が配合されている。
この作用によって、腎臓病の進行を予防しようと意図されている。
ただし医薬品として開発されるAIM製剤とは別であって、さらに療法食ではないという注意書きがパッケージになされている。
A-30はドリアンからも抽出される成分で、開発者である宮崎徹博士による特許出願などを読む限り、チオール化合物であると思われる。
そのため、原材料にはシスチンが表記されている。なお、他の市販品ではピュリナワンにも同表記が見られる。
ラインナップは全てチキン味で、室内成猫用、室内避妊・去勢後成猫用、11歳以上の室内猫用、11歳以上の室内避妊・去勢後猫用、15歳以上の室内猫用、20歳を迎える室内猫用、の計6種。
タンパク質31.0%以上、11歳避妊去勢後から30.0%以上、15歳以上から28.5%以上となる。リン約0.9%、ナトリウム0.37%。
腎臓の健康ケアをうたっていることから、腎不全のネコに対して使用したいと考えるユーザーがいるようだが、パッケージ注意書きの通り、既にステージ宣告されている猫に対し療法食から切り替えることは避けた方が良い。
実際にタンパク質、リン、ナトリウムの成分値からもわかる通り、療法食レベルではなく、あくまでも一般の総合栄養食である。
ちなみに、宮崎氏のAIM研究については下記の著書が詳しい。
寄稿者:rai