よつまお

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ブログ移転 ( https://www.yotsumao.org/ )

 

【疑似科学のウラ】除草剤ラウンドアップ(グリホサート)批判の裏側を調べてみた

ちょっと今回気になるところがあって、色々と調べていたら非常に面白いことが分かったのでメモ。

去る2019年1月18日、「日清フーズ」「日本製粉」「昭和産業」3社の小麦製品から、除草剤「ラウンドアップ」の主成分であるグリホサートが検出されたというニュースがネット上で話題になったね。
news.livedoor.com

大手食品メーカーから検出って点のみならず、日本でも近年ラウンドアップは販売・使用されているので、他人事じゃねぇなーって心配になった人もいるんじゃなかろうか。

ただ今回その論争の裏を調べる限り、あえて誤解を恐れず言えば現段階でこまけぇことは気にすんな」レベル。(っていうか普通に売ってる以上、そうとしか言えない)

 

ちなみに私は今までラウンドアップの名前しか聞いたことが無かったけれど、つい先日、はじめて店頭で実物を見たわけよ。(なお時系列的には報道後の話。つまり販売自粛的な影響は見受けられなかった)

f:id:yotsumao:20190522221758j:plain

「かけた雑草だけ根まで枯らす」って改めて見るとすごいよねw しかも人体への影響はほぼ無視できるわけだから(メーカー説明的にはw)、雑草に悩む全ての人にとってまさに「夢の農薬」みたいなもんだし、そりゃ売れるよねっていう。

 

そもそも私的には以前から、何が体に良いだの悪いだの有象無象の言論があるけれど、食物摂取による害なんて(超絶偏食でもなければ)ほぼ誤差の範囲って思っているんだよね。(個人が食うモノなんて、人を巻き込まず各自好きに決めりゃいい)

 

ただ少なくとも科学的な最終評価は、専門の科学者たちが検証と議論を重ねた上で下せばいいのであって、ここでは「どうして論争が根強く巻き起こっているのか」という背景の方に焦点を当てるよ。

注) 今回の記事は英語ソースを多数引用しているため、私の偏った意訳が多分に含まれますw 本来のニュアンスを知りたい方はぜひソース元へ。

f:id:yotsumao:20190521044313j:plain

ある日、何やら不思議な言い回しが目に留まる

今回の件で再燃したのが、一部では悪名高き「ラウンドアップ」および関連する遺伝子組み換え食品への批判。

(遺伝子組み換え作物、略してGMO。ネット企業のGMOさんへの熱い風評被害w)。

これを販売していたのが多国籍バイオ企業の「モンサント」(今は買収され、現バイエル社)だね。

モンサントと言えば、以前この国がTPPに加盟するか否かで左右入り乱れて言論界が揉めていた際に、何やら陰謀論(?)的な文脈で知った人も多いはず。

 

んで、そんなある日。ラウンドアップ&グリホサートに関する注意喚起的なツイートがタイムラインに流れてきたわけよ。

その文章の一部の言い回しがすごい目に留まってさ。こういうやつ↓

グリホサートは5.2ppmで人間の胎児の重さの海老が死ぬ

「人間の胎児の重さのエビ」って何?っていうww なんか変な表現だなーと思って、真相を調べてみたのが、今回この記事を書くことになった発端。

 

まぁ結論めいたことを先に書くと、例えるならインテリジェントデザイン説の人が、真剣に進化論を叩いていた、ってイメージが分かりやすい。(←分かりにくいw)

※ちなみに私は第三極の空飛ぶスパゲッティモンスター教の牧師ですw

 

と、いうわけでまずは謎の「人間の胎児の重さの海老」について調べてみたわけよ。

「人間の胎児の重さの海老」の日本語ソースを調べてみよう

似たような言い回しは個人ブログで書いている人が沢山いたんだけれど、基本伝聞調でどこかのコピペなので最初はソースがなかなか分からなくてね。

んで、記事の日付(2019年2月20日)的に、おそらくこれが今般目にしたツイートにおける「日本語での」大元だなってのがこの記事。

諦めずに私達の闘いはこれからです。 | 山田正彦 オフィシャルブログ Powered by Ameba

 

拡散希望を冒頭でうたっているのでまずこれで間違いないかと。さて、ここからいくつか引用してみよう。

グリホサートは、5.2ppmで人間の胎児の重さの海老が死ぬことが実験で明らかにされ、 WHOの癌研究機関では2015年に発癌性があることを発表しました。

うん、まさしく同じ言い回しだね。次。

私は直ぐ9月に米国に行き、この裁判をリードしたゼンハニーカットさんにお会いして、色々お聞きし裁判の資料もいただきました 。

ここで出てくるゼンハニーカットさん。 これはZen Honeycutt女史のことなんだけど、この人物については詳しく後述。

ゼンさんは子供がアレルギーで食事には気を付けてましたが 次男のボダイ君が突然自閉症のような症状を示したので病院に連れて行ったのです。

腸内細菌の調べたところ直接脳神経をおかしくするクロストリジウムが多く検出されたのです。

ふむ、おそらくクロストリジウム属の菌種のことを指しているのだと思うけど、その内の「何」なのかはこの時点で不明。直接脳をおかしく~なんて言うからボツリヌス毒素か?と思ったわけだが。(これは後に判明するので後述)。

 

例えば腸内常在菌のウェルシュ菌をはじめ、「ラウンドアップ小麦なんて関係なくても」子供が被害に遭いやすい破傷風菌やボツリヌス菌もこの類い。

んで、あとは記事の最後の方に突然現れるこの文言がちょっと特徴的。

最近、中国でも習近平主席が輸入小麦のグリホサートの残留農薬基準を0.2ppmまで厳しくして輸入小麦からのパン、 麺類を安心して食べられるようにしたのです。

うーん、まぁなんていうか中国はそんなことより、もっと別に規制したり解決しなきゃいけないことが山ほどあるんじゃないですかねw

 

ってことでわざわざ習近平政権へ言及したのが妙に気になったので、この記事を書いた人物「山田正彦」氏を調べてみる。失礼ながら私は最初顔と名前が一致しなかったのだけれど、どうやら先の民主党・菅内閣では農水大臣まで務めた方のようだ。

んで、wikipedia先生にご登場いただいてこれまでの所属の変遷を見てみると。

自由民主党→無所属→新生党→新進党→自由党→民主党→反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党→減税日本・反TPP・脱原発を実現する党→日本未来の党→みどりの風 

といった感じ。えーとまぁきっと優秀なかたには間違いなんだろうけれど、どことなく感じる思想的なナニかw

まぁこの「思想」って部分は、今回の論争を紐解くにあたって一つのポイント。

※おそらく一部のヒトにとってはこの時点で「なーんだそういうことね。ハイ、解散解散」ってなりそうな予感ww

 

さて、問題はだ。先にも書いたように、これは「日本語」におけるソース。

「人間の胎児の重さの海老」なんていう、ちょっと日本語感覚的におかしい表現をしている裏には「英語の原典」があるはずだと思ったわけよ。

その謎の言い回しの 「英語の原典」を探し出してみよう

そこで山田氏の記事内で登場するZen Honeycutt氏を調べてみる。

すると「Moms Across America」という団体の代表(創業者)だということが分かったわけ。ちなみに日本でも2017年4月に反GMO(遺伝子組み換え)の勉強会を開いていたようだ。

遺伝子組換え食品から子どもを守る! 全米各地で動き出したママたち|KOKOCARA(ココカラ)−生協パルシステムの情報メディア

 

んで、ここで例のエビの言い回しを発見。

ホワイトシュリンプ(クルマエビの一種)は、グリホサートの含有濃度が5.2ppmを超える環境だと4日間で死亡する (中略)

濃い塩水の中でも、グリホサートが325日間活性を続けるということが分かっている。(中略)

胎児の最初の大きさはエビぐらいです。そして羊水は濃い塩水です。妊婦たちが毒性にさらされていると疑わざるをえません。

なるほどww そういう例えかw 逆に4日頑張るエビちゃんすごい、グリホサート大したことねーな(←そこじゃない

っていうか日本語訳を介しているせいで、たぶんニュアンスがだいぶ変わってる気がする。

 

しかしだ、聞き捨てならないのは「羊水は濃い塩水」という表現だねw はい、ダウト。てかホワイトシュリンプって本来海水or淡水棲息?

いずれにしろ、一般のエビが住んでいる海水がまるで羊水と同じかのような言い回しだけれど(これも和訳段階でニュアンス変化の可能性はあるが)、

例えば誰もがしょっぱい!と感じる海水では塩分濃度が3.5%前後、対して生体内の塩分濃度はせいぜい1%未満。

はい、塩1%なんてどうみても単に美味しい味付け程度です、ほんとうにありが(ry

(っていうかヒトではほんの1%濃度が変わるだけでも違うのに、ひとくくりに「濃い塩水」、さらに「=羊水」を連想させる文脈はちょっと誤解を生む)

 

ちなみに、何やら最近流行りの子宮系のスピリチュアル界隈だと、「生命の起源は海、そして羊水のミネラル構成は海水と似ているからうんたら~」的な表現を見かけるけれど、そもそも妊娠中の羊水成分比なんて一定じゃなくね?※赤ちゃんがおしっことか排泄するしw

(そんなに海が良いモノなら、海水飲んでエラ呼吸でもしてろって思う(暴論ww)

 

これはおそらく羊水の材料であるヒトの血漿と海水を比べてるんだろうけど、どこまでの範囲を「似てる」って言ってるのか。

まさか単に成分構成比グラフの見た目の形が、とかじゃないよね?w ほんのわずかな差に「見えて」もそれは別物だからねw

Moms Across Americaってのはどういう団体なのか

さてさて本題に戻って、次にこのZen Honeycutt氏がリーダーのMoms Across Americaについて調べてみたよ。

About Moms Across America

公式のこのページから、一体どういった団体なのか、ちょいと引用しよう。

Moms Across America is a National Coalition of Unstoppable Moms. Our motto is "Empowered Moms, Healthy Kids."

とりあえず意訳すると、肝っ玉母ちゃんとわんぱくなチビっこを応援する団体って感じかなw 活動方針としては、

Our Mission is to raise awareness about toxic exposure, empower leadership, and create healthy communities. We support local activities, initiate campaigns and share solutions nationwide to improve our health and freedoms.

うん、要約すると有毒なモノから身を守る活動を頑張るぜ!ってこと。そして次。

We want safe, healthy food and honest labeling NOW!  We want Glyphosate/Round UP banned NOW!  We want toxic pesticide/herbicide free neighborhoods! Because We Said So!  Join us in parades or other events this year, reaching millions of people directly and tens of millions more through their families and media.  Be a part of history and make America even greater!

とりあえず、ラウンドアップとその成分であるグリホサートの批判活動を強力に推し進めたい、ってことだね。

まぁこれはいいんだよ。健全な社会を目指すにおいて、こういう人たちって当然必要だと思うしね。

 

たださ、その崇高な理念に相反するようなすっごい大きな疑問があって、、

何かちょっとお高いモノを宣伝してるなぁ(棒

公式サイトのサイドバーにこの団体が販売しているサプリとかミネラルエッセンスの広告があったり、浄水器(これは代理店として?)も宣伝してんのよ。。

まず謎の「体に良さげな」サプリメント。

Restore for Gut Health - 32oz

ページ内には「これで病気が治りました!(意訳)」的な購入者の感想が書かれていて、70ドル近くする代物なんだが、一切その成分構成が何なのかは書いていない。ページ内でそれにあたる記載とすれば、

it is a carbon-rich, alkaline liquid, with lignite-derived trace organics and essential trace amino acids

何やらアミノ酸とかが含まれてるアルカリ性の何か、程度しか分からないんですがw

ハイ次、「ミネラルが入ってるっぽい」エッセンス。

QuintEssential Minerals - 0.9 Strength

これはたぶん浄水器に添加する用な感じのもので52ドル。まぁ当然これもその成分が謎で、

The Isotonic solution is diluted with natural Alpine Spring Water to achieve the same consistency as your blood plasma

温泉水で希釈された何か、くらいしか言及がないw さらに気になるフレーズ。

At roughly 70% water, our bodies have an inner ocean—a "BioTerrain".

要は人間の体は70%が水で、(地球の陸地対海洋の面積比で言えば同じなので)まるで体内に海洋を持っているようなもんなんだから、この海水由来のミネラルが必要だ!的な文脈で言ってるんだけれど、

地球と同じ比率で体の7割が水だから何?ってレベル。じゃあ気温が0度になったら体の7割は凍っちゃうんですかねw 似てるからこうだ!なんて別に関係ない話。

 

続きましてー、浄水器。これは実際の販売は別ドメイン

AquaTru Package – WaterAndWellness

さっきのミネラルエッセンスを混ぜて使えるっぽいんだけれど、

AQUATRU® SUBSTANTIALLY REDUCES VIRTUALLY ALL OF THE TOXIC CHEMICALS IN YOUR TAP WATER THROUGH REVERSE OSMOSIS, THE SAME TECHNOLOGY USED IN BOTTLED WATER COMPANIES.

まぁ昨今わりとよくある逆浸透膜を使用して浄水しますよー的なことだけれど、いまなら通常価格450ドルのところ、お値段は350ドルくらい。

日本の感覚で言ったら高級ライン?きっとさぞ性能がよろしいんでしょうな(棒

まぁとりあえずアメリカのかたに会ったら、同じような価格帯のパナソニック製品とか、信頼と実績のトレビーノやクリンスイあたりでもオススメしておきますw

例の「胎児サイズのエビ」の話を探してみる

さて、なんとなーくMoms Across Americaっていう団体の一側面が見えてきたところで、この団体サイト内で例の「胎児サイズのエビ」に関する記述を探してみた。

それがこちら。2015年5月の公式サイト内にあるブログ記事。

Groundbreaking News about Roundup ( Glyphosate) - Moms Across America

(っていうかZen Honeycutt氏のこの初出が2015年、先の日本での勉強会における言及が2017年、そして山田氏の今回の引用が2019年。随分長いこと飽きずに同じことを繰り返し言ってるんだねw そして日本の周回遅れ感w)

 

まずはグリホサートの害に関する記述部分を引用しておく。(記事内では根拠となる論文等にもリンクされているよ)

 World Health Organization of UN declares glyphosate "probable carcinogen"

WHOはグリホサートを発がん物質としたと。ちょっとここは疑義があるので後述。

Glyphosate kills human placental cells which can lead to endocrine disruption ( fetal death and deformity)

グリホサートは内分泌かく乱物質のために、胎児に影響があると。ふむ、これはエビの例え話にも関連しそうな部分だね。

Glyphosate linked to neurological disease due to manganese chelation

グリホサートはマンガンキレート作用によって神経疾患に関連すると。なおここにリンクされている論文では、興味深い事実があったので後述。 

 

さて、そしていよいよ例の表現。

white shrimp die at levels above 5.2ppm glyphosate exposure in water after 4 days

We must ask ourselves:
What is in our womb? Dark salty water!
What is the size of a six week old fetus? The size of a shrimp!

白エビがグリホサート水の中で4日で死ぬのよ!そして私たちのお腹の中には塩水(羊水)があるわ! 6週目の赤ちゃんのサイズってどのくらいか知ってる?そう白エビと同じなのよ!!なんだってー(AA略

 

、、といった感じの意訳になるんだけど、さすがにこじつけすぎじゃね?w っていうかそういうこと言い出すと、エビに悪いものは人間にも悪い、逆にエビに良いものは人間にも良い、が成り立つよね?

だとすると世の中の動物実験とかヒトでの治験とか一切必要なくなるね、やったねww

 

もうね、健康被害的な話でこういうのってすごく多いんだけれど、生物への影響をそのまま人間に当てはめて考えちゃうとか、マジでダメ。もしそんなことが可能なら、今頃ガンの特効薬は山ほど出来てる

こういった行き過ぎで神経質なこじつけが人々を混乱をさせるのは、この国でも一時期は連日報道されたダイオキシン問題勃発&終息の時に散々学んだはず。

「腸内で増えたクロストリジウム」話を追ってみる

ちなみに先の山田氏の記事内に出てきたクロストリジウム属の話についても、具体的に何の菌の話だったのか調べてみた。

例えばMoms Across America内のブログ2015年1月の記事。

Glyphosate Harm through Gut-Brain Connection - Moms Across America

Recent studies showed that glyphosate destroys the beneficial gut bacteria and allows the pathogenic bacteria to thrive. Glyphosate in our food and gut equals and increase of bad bacteria, especially clostridium botulinum infections.

同属のボツリヌス菌に対する言及はある。どうやらグリホサートの影響で悪玉菌が増えるってことを言いたいようだ。

ただ、Zen Honeycutt氏の息子の腸内でクロストリジウムが~といった感じで明示された話が、少なくとも団体サイト内では出てこなくて、関連するとすればこのページ内の記述。

About Us - Moms Across America

Later her second son experienced a sudden onset of autism symptoms at 8 years old. He tested positive for fungus, gut dysbiosis, and 8 x higher the level of glyphosate in his urine than was found anywhere in European testing. Through an organic diet and restoring the gut bacteria, he is completely recovered.

突然、息子が自閉症っぽくなった。んで検査してみたら、真菌に陽性で、腸内フローラ異常だったと。さらに尿中のグリホサート残留量が通常の8倍高かったと。(ゆえにグリホサートのせいだろうという話)

それを有機食によって腸内細菌を整えたから回復した、ってことになってる。

 

ふむ、回復手段に関する疑義は別として、真菌ねぇ。

じゃあクロストリジウムが~って話は一体どこでしてるのかってことなんだけど、

それはおそらく文章ではなく、何やら各所のスピーチとか口頭のみで言及している可能性があるんだよね。

例えばこれ。他サイトの記事。2015年1月モンサント本社前での抗議行動。

Monsanto Is Making Us Sick: A Protest at Monsanto's Headquarters

ここでZen Honeycutt氏は息子の話で、

I got him tested and he had Clostridium difficile, fungus, clostridia, leaky gut, 19 different food intolerances and gut dysbiosis.

クロストリジウム・ディフィシル、真菌、クロストリジウム"綱"(属よりもさらに大きいくくりw)、が検査出てきて、19種の食物不耐症だったよ、という部分が出てくる。

ちなみに言うと、クリストロジウム属とか鋼の菌種は、一般的に土とか自然の中に普通に存在するし、家畜の腸内なんかにもいる。

 

まぁとりあえず何かしらそういう類いのもので腸内フローラが乱れていたと。(んで、それはグリホサートのせいで、いわゆるオーガニック食で治った!という文脈)

ここまで見てきて、少なくともZen Honeycutt氏ってのはオーガニックマンセー(信仰?)なのはよく分かったところw

グリホサートは腸内の細菌に影響するのか

なお、そもそも本当にグリホサートはクロストリジウム属などの腸内細菌に影響を与えるのか?って点については、

Moms Across Americaサイト内にある先ほどのブログ記事(Glyphosate Harm through Gut-Brain Connection)にPDFがリンクされていた。そのファイルがこれ。

http://d3n8a8pro7vhmx.cloudfront.net/yesmaam/pages/680/attachments/original/1393210354/Glyphosat__publikation__Shehata_und_Kr%C3%BCger.pdf

2012年の論文。ボツリヌス菌などに対する言及があるね。

 

ただし、その後の2015年のドイツにおける再評価だと、

食品安全関係情報詳細(内閣府の食品安全委員会より)

クロストリジウム属菌が、グリホサートの影響により繁殖しやすくなることも示されなかった。

 ってことで、意見割れてるやん、、てか新しい結果だと関係ないことになってるやん、、

ちなみに2015年のモンサントの公式見解(日本語版PDF)でも否定されている。

http://www.monsantoglobal.com/global/jp/products/documents/Gly_Briefing%20Document_HW.pdf

この主張はしばしば引用されますが、獣医師のチームが状況を調査した結果、この家畜群において、ボツリヌス毒素の存在を示す証拠は発見されませんでした(Seyboldt ら、2015)。

 (まぁモンサント自身はそりゃ否定するだろうって話だけどもねw)

グリホサートの発がん性はあるorない問題

そもそもさ、グリホサートと言えば、最初に大きく報道されたのはいわゆる発がん性についてなんだよね。

例えば先の山田氏の言及を振り返ると、

WHOの癌研究機関では2015年に発癌性があることを発表しました。

ってなっているし、 Moms Across America内でも先述の通り、

World Health Organization of UN declares glyphosate "probable carcinogen"

と言っているわけよ。これらの部分についての真偽はどうなのか?と。 

 

ここを追うにあたって、まず注意点。なにやらネット上では発がん性に対する言及で、「WHOが」っていう書き方をする人と、WHOの「外部機関(IARC)が」っていう書き方の人がいてちょっと話がややこしいことになってる。

 

まずざっとした流れを知っておくと、そもそも2015年3月にそのIARCがグリホサートを発がん性リスクをグループ2Aに区分したわけよ。これが話題になった。

(そもそもこのグループ分けは「リスク(危険性や害)そのものの強さ」ではなく、あくまでも「リスクを示す研究や論文(などの証拠となる裏付け)の多さ」であることは先に付言しておく。※ただし当然それは「ヒトにおいて」とは限らない。)

 

ただしその後、2016年5月のFAO/WHO合同会議ではヒトでの発がんリスクって低くね?ってことになってるんだよね。(PDFファイル)

https://www.who.int/foodsafety/areas_work/chemical-risks/JMPR_2016_Report_May.pdf

ちなみに日本でも2016年7月に、別に発がん性も遺伝子毒性もなくね?ってことに。

評価書詳細(ページ内PDFを参照)

 

さらには2017年12月本家アメリカEPAでも、発がん性?なにそれおいしいの?っていう評価。

EPA Releases Draft Risk Assessments for Glyphosate | Pesticides | US EPA

そして日本における販売元、日産化学における2018年8月の公式見解でも、上記やヨーロッパの機関EFSAやECHAでの調査コメントなどを引用し、人体への影響を否定しているね。

https://www.nissanchem.co.jp/news_release/news/n2018_08_15.pdf

(米国にて、ラウンドアップによってガンになった!ということが争われた裁判判決を受けて公開されたPDF)

 

ということで多数決では事実上IARCの負け―ww 、、って言うのは子供っぽいので、もうちょっとここら辺を掘り下げよう。

IARCのグループ2A評価はどんなものなのか

そもそもIARCがいう発がん性分類のグループ2Aってのは何かって言うと、

国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について:農林水産省

ヒトに対しておそらく発がん性がある。

ってことになってる。「おそらく」がやや引っかかるね。そして、

・ヒトへの発がん性については限られた証拠しかないが、実験動物の発がんについては十分な証拠がある場合

という条件がついているようだね。つまりまず「ヒトへは限られた証拠しかない」ってことを理解しておこう。

 

じゃあここで、IARCの分類においてグループ2Aは他にどんなものがあるのか確認しておこうか。下記で現在における公開リストが閲覧できる。(グループ1が最も高リスクの「可能性」)

List of classifications, Volumes 1–123 – IARC

 

ってことで、問題のグリホサートは変わらず2Aなんだけど、例えば「Androgenic (anabolic) steroids」、ボディビルでも使われるアナボリックステロイドは2A

他にも「Human papillomavirus」=近年多くの人に名が知られてきたヒトパピローマウイルスの一部も2A(グループ1~3に偏在)。

 

またなんとRed meat(赤肉)も2Aグループに属されている。これヴィーガン(ベジタリアン)以外、大抵の人はダメなんじゃないか?w

さらに発がん性と言えば有名な、Ultraviolet radiation(紫外線)なんかは現在1

(過去には、Sunlamps and sunbeds (use of)=日焼けランプと共に「2A」だったそうな。なお日焼けランプは現在リスト外?)

 

さらにさらに、Shiftwork that involves circadian disruption、つまりシフト勤務なんかも2Aになっている。これは非正規労働者の多数があてはまってしまうww

 

つまりだ、まとめると肉食ってステロイドやって肌焼いてるボディービルダーや、日焼けサロンでシフトでバイトしてて性経験のある黒ギャルなんかは、みんなガンになるってことだよ!なんだってー(AA略 ※2回目

ってことで、2Aに分類されたからって即時全部ダメ、とも言い切れなさそうなんだよね。(要は用法用量は適切に、みたいなこと)

 

さらにIARCの手法にも何やら疑義が上がっていて、例えばロイター社の記事

Glyphosate: WHO cancer agency edited out "non-carcinogenic" findings

ざっくり、なんか怪しい編集してない?って批判。これに対してはIARC側も

IARC Monograph on GlyphosateOther Related Information – IARC

いや、ちゃんとやってっから!っていう反論を出している。

 

まぁこれらを見てどう判断するか、ってことよ。一概にIARCの評価だけを持ち上げるのはちょっと公平ではないかもしれないねって話。 

グリホサートで神経系疾患になる!的論文のウラ

さてさて、次は発がん性の話からは少し逸れて、先のMoms Across America内の記事(Groundbreaking News about Roundup ( Glyphosate))にあった、

Glyphosate linked to neurological disease due to manganese chelation

グリホサートで神経系疾患になるんじゃね?の話。これを調べていくうちに、今回の中で最も興味深い背景を垣間見ることができたんだよね。

 

そもそもこのMoms Across America内の記事では、根拠となる記事や論文へのリンクが多数掲載されているんだけれど、

この神経疾患に関する論文に関しては、ちょっとリンク切れになっていてね。(後述の批判を見ると、意図的なものを感じちゃうw)

リンク先だったSurgical Neurology International(神経科学に関する医学系雑誌)のサイトまでは飛べたんで、そのサイト内で同一タイトルを検索してみたわけよ。

んで、探したところおそらくこれだろうと。2015年5月、同じテーマの論文シリーズの第三弾。

Glyphosate, pathways to modern diseases III: Manganese, neurological diseases, and associated pathologies - Surgical Neurology International

 

わりとこのシリーズ自体は一部で話題になったみたいなんだけど、ここで重要なのはその内容じゃなくて、論文の著者の話。Anthony Samsel氏とStephanie Seneff氏

 

この二人の経歴が衝撃的。まずどちらも医学分野における課程を修得して「いない」ので、元々はその道の専門家ではないってこと。

Anthony Samsel氏に関しては、研究者・コンサルタント名乗っていて、LinkedInの記載を信じるとするならば、

https://www.linkedin.com/in/anthony-samsel-60566523

National community investigations of industrial polluters of air and water by hazardous chemical materials, Current and ongoing research into agricultural pollution by pesticides, biocides, genetically engineered materials and their effects on public health and the environment. Academic biomedical researcher and author. Expertise in biochemistry and toxicology of pesticides, fungicides, herbicides and other chemicals and also biotechnology, genetically engineered and transgenic food, commercial agriculture and floriculture.

もっとも長くキャリアを積んできたのは産業汚染などに対する地域調査活動、、っていうなんだかよくわからない事業w

 

一方、Stephanie Seneff氏はというと、

http://people.csail.mit.edu/seneff/

Stephanie Seneff is a Senior Research Scientist at the MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory. She received the B.S. degree in Biophysics in 1968, the M.S. and E.E. degrees in Electrical Engineering in 1980, and the Ph.D degree in Electrical Engineering and Computer Science in 1985, all from MIT. For over three decades, her research interests have always been at the intersection of biology and computation:

MIT出身で非常に優秀なかたなんだけれど、専門は人工知能!w PhD持ちだし本当に頭の良いかただと思うんだよ、うん。でも完全なる別ジャンル

 

ちなみに一般論として、私なんかはシステムエンジニアのバックグラウンドがあるわけだけれど、例えばそんな無関係の知識しかない私が医学や科学論文を書いたとして、

果たして世間のどれくらいの人が信ぴょう性を感じて、学会のどのくらいの人が真剣に見て取り上げてくれるだろうね?w (まぁもちろん在野でも非凡な方はいるけどね)

 

ということで、そんな二人が「なぜか」持ち上げられ、グリホサートやヒトの病気に関する論文を書いているわけだ。ふしぎ!

Samsel & Seneffコンビ共著論文の反応を調べてみよう

そもそもこのコンビがアンチGMO(モンサントとグリホサートに対して)でタッグを組んだのは、先の論文より前の2013年4月。

Entropy | Free Full-Text | Glyphosate’s Suppression of Cytochrome P450 Enzymes and Amino Acid Biosynthesis by the Gut Microbiome: Pathways to Modern Diseases

この論文シリーズを通して、「グリホサートはグルテン不耐症(他多数)の増加原因だ!」的な言論で、二人は話題を集めるんだね。なんか自閉症やら環境ホルモンやらグルテン不耐症やら、もはや何でもありだなw

 

これに関しては当時、各方面からいわゆる「疑似科学である」という批判が挙がったようだね。

例えば、科学雑誌で有名なディスカバリー

ディスカバリーによる批判記事

When Media Uncritically Cover Pseudoscience - Collide-a-Scape

Anti-biotech activists, like their fellow travelers in the anti-vaccine movement, are masters at pseudoscience. (中略)
The paper is by two authors with dubious credentials and is such a mashup of pseudoscience and gibberish that actual scientists have been unable to make sense of it. As one of them also noted, the paper is published in a “low-tier pay-for-play journal.”

反バイオテクノロジーの活動家(二人を暗に指して)は、某政党シンパの反ワクチン運動のように、「疑似科学マスター」だ!と。うはw アメリカの言論ってすげー辛辣だなw

資格が怪しげな二人の出した論文は、そもそも「低俗な有料雑誌」に書かれたもの、だそうな。ちなみにここでそう表現されている科学雑誌はエントロピー(これは後述)

また、記事内では農学者のAndrew Kniss氏の言葉を引用して、

Andrew Kniss, a University of Wyoming agronomist, wondered: “Why are they [Reuters] calling it a ‘study’? There was absolutely no data.” He added that the paper “carries as much scientific credibility as creationism.”

「その論文は創造論と同じくらい科学的信ぴょう性を持っている」。すっごい皮肉w さすがUSA、私達にできないことを平然とやってくれる、そこにしびれるあこが(ry

 

んでんで他にも当時論文への批判記事を載せたのがハフポスト

ハフポストによる批判記事

Condemning Monsanto With Bad Science Is Dumb | HuffPost

Samsel and Seneff didn’t conduct any studies. They don’t seem interested in the levels at which humans are actually exposed to glyphosate. They simply speculated that, if anyone, anywhere, found that glyphosate could do anything in any organism, that thing must also be happening in humans everywhere. I’d like to meet the “peers” who “reviewed” this.

Samsel氏とSeneff氏は勉強不足!w 生物に影響があれば、それは人間にもそのまま当てはまるだろうと単純に思ってるやん? これを査読した「お仲間」(エントロピー内の?)に会ってみたい、だそうだw 

ただハフポストの場合、こうも付け加えているね。

There’s real danger in bad science like this. Industrial agriculture has created a lot of environmental problems. We have to find ways to reform our food system, but shoddy research only helps Monsanto.

粗悪な科学ってのはマジ危険!っていうか雑な研究なんてしたらそれこそモンサントを助けちまうぜ!ってことで、同じモンサント批判をする立場としても適当なことすんのやめてくれって話。

科学の先生による批判記事

また、2014年12月には科学教師でブロガーのPaul K. Strode氏にて、コンビの最初の論文に対する批判記事が書かれているね。

” The paper itself is 48 pages of other peoples' work and Samsel and Seneff establish no causative link between glyphosate and human disease. Indeed, the word “associated” is used 43 times in the paper and “association” appears 24 times. Their main hypothesis is something called “exogenous semiotic entropy,” a meaningless concept that exists nowhere in the world but in this paper.

論文自体は48ページの「他の人の研究」で、「関連付けて」 的な表現が無数に出てくる。てか「外因性記号論的エントロピー」って仮説はなんやねん?そんなんは科学のどこにもない単語だわボケ!的な感じかな。

(ポストモダン批判におけるアランソーカルもビックリだぜw)

そして別の雑誌掲載の論文に対して、こんなことも言っている。

If the Glyphosate-human disease link is as likely and as important and alarming as Samsel and Seneff claim, why bury it in such an impactless journal?
Perhaps because the paper itself is a poster child for how to publish pseudoscience.

やあトム、グリホサートの悪影響がそんなに重要なら、なぜ二人は影響力のない雑誌なんかに論文を載せると思う?うーん、なぜだい?さっぱりわからないよ、マイケル。

それはねトム、この論文自体が偽科学出版のマスコットだからさ!hahaha(意訳)

いやぁ、非常にジョークの効いた先生だなw

反IARC団体による批判記事

さて、最後。CAPHRという先のIARCの評価手法への疑義をうったえる米化学工業協会をはじめとした企業連合のサイト内記事。(フランス語からの英訳転載)

Glyphosate and Autism: Back to a Fake News Story [English Translation] – Campaign for Accuracy in Public Health Research

(なお原文はフランスの農業&環境ジャーナル掲載のこちら。(フランス語、2018年3月)

Glyphosate et autisme : retour sur une «fake news» -)

このフェイクニュースとまで題した記事は2018年に書かれたもののため、騒動の総括的な内容を含んでいてとても面白い。

まーそもそも一連の論文シリーズでどんなことが書かれていたかって言うと、

According to the authors, glyphosate could plausibly contribute to the emergence not only of autism, but also of inflammatory bowel diseases, of the obesity, depression, Alzheimer's disease, Parkinson's disease, multiple sclerosis, cancer, cachexia, infertility and developmental malformations. In short, absolute poison.

コンビいわく「自閉症、炎症性腸疾患、肥満、鬱病、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、癌、悪液質、不妊症、発達障害」などあらゆる疾患に関係する絶対的な毒です(キリッ

ってもうここまで来ると逆にすごいなw

 

これに対するパリ第6大学教授の批判を引用して、

“It is as if I affirmed that rain could explain the fall in popularity of François Holland, by basing my demonstration on television and a book of polls.
My conclusion would be to invite governments to reconsider public policies by banning rain on weekends or the distribution of umbrellas!”

フランソワ・オランド(雨男の元フランス大統領)の支持率は、テレビ的には雨模様と相関するわけだろ?ってことは週末の雨や傘を禁止すりゃいいわけさ!hahaha(意訳) って感じで二人の論文のこじつけっぷりを揶揄しているねw

 

他にもフランス国立保健医学研究所の疫学者で農業被害の専門家であるLuc Multigner氏による批判も引用されていて、

If the authors had corrected them with the increase in Tasmania's postage stamps or with the evolution of the number of Internet connections in Tajikistan during the same period, they would have come to similar conclusions “.

もし彼らの論文を「タスマニアの切手消費の増加」や「タジキスタンのネット接続数の増加」に置き換えたとしたって、きっと同じ結論に辿り着くだろうよ!って感じ。

うん、また皮肉だw しかしなぜ海外の方はこんなにもウィットでユーモアに富んだ回答ができるんだろうw

 

まぁ要するに、Samsel, Seneff両氏に対する「マトモ」な人たちからの見方はこんな感じ。

The statements of Samsel and Seneff were therefore not taken seriously by the scientific community.

 ぶっちゃけ学会じゃ相手にされてないよ!っていう、、

 

それはなぜかというと、この記事内では論文シリーズの各ポイントの問題点を指摘しているわけだけど、例えば誰もが分かりやすい部分はこれ。

“It is well established that there is always a delay or latency period between exposure to a canceegene and the formation and detection of cancer, with the delay varying according to the type of cancer. Thus, the fact that increases in the use of glyphosate herbicides overlap with, for example, peak breast cancer rates, is more indicative of a lack of connection than a link between the two genomes.”

ガン発生にはタイムラグがあって、そのラグの違いはガンの種類でほぼ判っている。

ってことはグリホサートの使用増加が、乳がんの発生率のピークと重なるってのはむしろ、グリホサート関係なくね?ってことを証明しちゃってるよね。っていう。

 

うん、これだけで二人の知識の底が見えるってことw 相関と因果の取り違えどころか、そういった部分の基本的な医学知識が伴う統計の読み方さえ出来ていないという話。

 

(相関と因果の話。例えば、「老人は肺炎の致死率が高い」という証明のために、「タピオカを原宿で好んで食べる若者は肺炎が重症化していない」

=つまり「タピオカは肺炎に効く!」なーんていう結論にはならんよね?wっていう)

そんな二人の論文を載せた「エントロピー」とは何なのか

まぁ最後に、一体そんな二人のSamsel, Seneff両氏の論文を載せたエントロピーってなんやねん?ってことも見ておこうね。

そもそもエントロピーは、MDPIという組織が数多く手掛ける科学ジャーナルの一つに過ぎない。

 

じゃあそのMDPIっどうなん?っていうと、ここでは左派が好んで引用しがちな北欧から「ノルウェー科学指数」を取り上げるよ。そこで当該組織はレベル1に位置している。

(ノルウェー国立機関CRIStinデータベースによる世界中の学術出版チャネルの評価レベル)

Scientific journals, series and publishers | NSD - Norwegian Centre for Research Data

※この他にも、学術誌の影響力ついては、いわゆる「Impact Factor」などで評価されるのが主流だね。権威がいかに重要か、私達は小保方氏のSTAP騒動で学んだはずだw

 

ちなみに全体の8割はこのレベル1、要は「普通」ってこと。残りの2割は最上級のレベル2にあって、これは国際的に権威のある雑誌や出版社だけに許される話。

まぁこれを高いと見るか低いと見るか。(ちなみに最下層のレベル0もあるけどw)

 

ただしこれはMDPI全体のざっくり評価での話。そもそもMDPIの各誌はたびたび「レビュアーの質悪くね?」ってことで批判を受けていて、

例えば学術雑誌で有名なサイエンス掲載の記事では、

Open-access journal editors resign after alleged pressure to publish mediocre papers | Science | AAAS

All 10 senior editors of the open-access journal Nutrients resigned last month, alleging that the publisher, the Multidisciplinary Digital Publishing Institute (MDPI), pressured them to accept manuscripts of mediocre quality and importance. 

10人のシニア編集者がMDPIの「質の良くない論文でも査読通せや!」の圧力のせいで、辞任したって話。まぁこれが事実だとするならば、Samsel, Seneff両氏の論文についても御察しですわw

~批判の裏側を見て、まとめ的な何か~

さて長々と批判の「裏側」を検証して、ここまで見てきて言えることは、

どことなく「偏った思想の人が結論ありきで作りだしてる騒動」、あるいはぶっちゃけ「ある種の周回遅れのイデオロギーに基づいた政争」って感覚がしてくるんだよねぇ。(※あくまでも個人的感想です。所感には個人差がありますw

 

例えばモンサント関連で言えば冒頭でも触れたけど、一時期あれだけ大々的な批判キャンペーンが展開された反TPP(主に右の論壇で)。

結果としてこの日本は、果たして外国に乗っ取られて壊されてしまったんだろうか?(てか肝心のアメリカ様の方からいなくなっちゃったりとかねw)

まぁもちろん私の見方だってバイアスはかかってると思うけれどね。

 

とはいえさ、例えばよくありがちな言論が、モンサント(現バイエル)がアメリカ合衆国様さえ牛耳っていて圧力掛けてるから真相が表に出ないんだー(棒

、、的な「陰謀論」があるけれど、そんなに「世界の絶対支配者」の如し超絶パワーを持った企業なら、そもそも反抗することが無意味だし、Zen氏またはSamsel, Seneff両氏などを簡単に潰せるんじゃないですかね?

(しかしそんな巨悪の大王であったはずのモンサントは、今やバイエル傘下っていう。なに?隠れ蓑ってやつ?w)

 

きっといくらでも研究結果を操作して、事実を捏造したり隠蔽どころか、封殺したりもできるんでしょう?なのに、Zen氏らは自由な言論を展開できてるわけだ。うーん、何か矛盾してないかねw

たぶん今回色々調べてみて思ったのだけれど、それって単に「相手にする必要がないほど低レベルの批判だから」って話だったりしないかなぁ?と思ったりするわけよ。

 

これは食物、ひいては健康に関する分野に圧倒的に多いけど、時々何かが「危険」という情報センセーショナルな手法で出回ったりするよね。

するとその際、素直に鵜呑みにしてしまった一部の人々は、それに沿った物語(ドミナントストーリー)を至る所で描いていく気がするんだよ。(だからこそ、その人々の脳内では矛盾がない)

 

別に私も現バイエルやラウンドアップ、さらにはGMO(遺伝子組み換え品。いちいちネット企業と区別する注釈めんどくせぇw)を手放しに擁護する気は全くないけれどね。

ただ、上の方でハフポストの記事内でも言及されていたように、たぶん批判の仕方を間違えると(相対的に批判する側の信用が落ちて)かえって相手に力を付けさせる結果になると思うわけよ。

 

いずれにしろ、もっとどんな情報でも賛否両論をフラットかつ懐疑目線で見ていかないと、なんかすげーそのたび振り回されちゃって疲れるっていうか、自分が強く信じていた「何か」にもし裏切られたらその反動って凄いしさ。

そういう精神バランスの時に限って心の隙間に漬け込む奴はいるわけで、なんだったらある日突然、変な輩にコロっと騙されて利用されちゃう気がするんだよねぇ。

 

もしかすると、これを読むアナタの思想は既に何者かに支配されているかもしれない…こわいなこわいなー(まさに陰謀論w

 

というわけで、ここまでで約20,000字。最後までお読みくださった奇特な方がいらっしゃいましたら、誠にありがとうございました。

P.S. もしこの記事や引用先その他、ご自身で各方面調べて頂いた結果を総合的に勘案して、ラウンドアップってそれほど悪くないんじゃね?って思ったかたは是非お一つどうぞw

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◆関連記事:訴訟乱発!のウラ

この記事以上にムダに長いので、ヒマでヒマで仕方のない時にでもどぞー。

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