某日、朝。前日夜にUSB充電ケーブルをつないでおいたエクスペリアの電源が落ちていた。
充電LEDのランプ色は赤。普通は充電が完了しているはずなので、緑になっているはずだ。
本体の上部(バッテリーパック部ではない基盤部分)が異常に熱い。
熱暴走によるトラブル?充電自体が出来ていない?
私の機種はXperiaのZ1。型番はauでいうところのSOL23、ドコモでいうところのSO-01Fに対応する。このモデルから裏蓋が外せない仕様に変更されているので、中を安易に見ることができない。
ということで、そんな状況の中で行った対処法を備忘録として。自己流のやり方も含まれているため、あくまでも参考までに。
・電源がONになるかどうか試す
まずは電源ボタン長押し→反応なし
ボリュームボタンの上と電源ボタンを同時に長押し→反応なし
SIMカード(ICカード)の挿入口付近にある赤いボタンを長押し→反応なし
(ちなみに購入時のダミーSIMを挿入すると電源OFFの強制シャットダウンが可能)
通常はこれらのどれかでバイブが反応するか、LEDが反応するか、いずれにしてもバッテリ残量さえあれば、強制再起動が可能なはず。
でも何も起こらない。本体は未だに熱いまま。
・充電できるかどうか確認
LED色はバッテリーの充電容量を示し。赤点滅が充電ほぼなし、赤点灯が低、オレンジが中、緑が90%以上。
私の機種の場合は、コネクタにケーブルを繋げてしばらくしても赤点灯のまま。
マイクロUSB部分の故障もありえるので、マグネットタイプのクレードルスタンド(卓上ホルダー)などがあればそれで充電を試してみてもよい。
しかしこれは電池パックの問題なのだろうか、、本体はまだ熱が取れず。
・本体を冷やす
もし、何らかの熱暴走により不具合が生じているのなら、とりあえず冷ますことが大事。
ということで少しだけ冷蔵庫へ。
このとき冷凍庫へ入れるのはあまりお勧めしない。
急冷が行われることで、室温に戻したときに結露が発生し、スマホ内部への水分の侵入を許す可能性がある。
しばしの冷却で熱は取れた。電源ボタンを押してみる。が、やはり反応なし。
いよいよ怪しくなってきた。。
・本体を加熱する
もし、電気的な接触不良などのトラブルが起きているとすれば、冷却ではなく逆に加熱をすることで解消される可能性もある。
チャレンジする際はSDカードやSIMカードは抜いておこう。
ということでドライヤーで電源ボタン付近、充電コネクタ付近を温める。
あまり長時間やってしまうと逆効果なので、触れると熱く感じるな、そのままずっと手は置いておけないかもしれないな、という程度の温度でやめること。
ちなみに基盤に使用されている一般的な半田がとける温度、つまり融点は180~200度前後なので、余程のことがない限りハンダが溶け出してしまうことはないと思うが慎重に。
本体を温めたところで、電源ボタンを押す。やはり反応なし。
充電も変わらず、赤ランプのまま。いよいよ電池パックの問題だろうか。。
・ROMを初期化する
もし本体のOSやデータに何らかの異常が発生しているために電源が付かないのだとすれば、初期化を行うことで解消されるかもしれない。
Xperiaには外部からそういった操作を可能とする便利なソフトが存在する。
まず公式のXperia Companion(旧 Sony PC Companion)
これを使って本体の初期化(ソフトウェアの修復)を試みる。この際、個人データは削除するか否かを選ぶことができる。
が、ソフトの操作に従ってPCに接続しても、PC自体が本体を認識しない、、
続いて、試したのはFlash Tool。これは海外製のフリーソフトだが、優秀な定番ROM焼きツール。
事前に自分のスマホ本体に適合するFTFと呼ばれるROMファイルが必要だが、これはググればダウンロードできるところが見つかるだろう。
ということで、このFlashtoolで同じく初期化を試みる。ちなみにフラッシュ前にユーザーデータなどをワイプするかどうか選択可能。
が、やはりどうしてもPCおよびソフトがスマホ本体を認識してくれない。。
・バックパネルを開けてみる
もうこの時点で本体やデータが絶望的な気がしたので、この際いくら壊したところで同じ。
ということで裏蓋を開けることにチャレンジ。
この機種はガラス製のパネル表面に透明シートが貼ってある仕様なので、割れると細かい破片が危ないので注意が必要。
一般的にはプラスチック的な固めの素材の専用道具で空けるのが普通。もしなければ要らないキャッシュカードやクレジットカードなどでも代用可能。
それもなければ割れるのを覚悟でマイナスドライバーなどでやってみよう。
裏蓋の上部にくぼみ、というか隙間があるのでそこから徐々にこじ開けていく。
接着剤で密閉されているだけなので、あらかじめ本体裏面周囲を温めておくと粘着力が弱まって作業しやすい。
パネルが外れると、今度はトルクス(星形)ドライバーで、電池パックを固定しているプラスチック盤を外す必要がある。
トルクスが無ければ、ねじ山が多少潰れるのを覚悟で小さいマイナスの精密ドライバーでも代用可能。
LEDのコネクタを外しつつ、プラスチック盤を無事外すことが出来たら、電池パックのコネクタを一度外し、再び付け直してみる。
これで充電ができるかどうか確認。。LEDコネクタを元に戻し、しばらく待ってもやはり赤ランプのまま。当然電源ボタンで起動もしない、、
・電池パックを入れ替えてみる
裏蓋をあけた人にとってはバッテリ交換は簡単な話。
あらかじめ同機種の通電OKの格安ジャンク品をオークションで落としておいたので、その電池パックを流用してみる。
同じ手順をもう一度繰り返し、電池パックを取り出し、電源が付かないスマホに入れ替える。
が、やはり充電も出来なければ電源もつかない。。
もちろんジャンク品のほうでは充電と起動を確認した上で、その電池パックを使っている。
以上の結果から導き出せる答えは、、、
・完全に壊れているようだ
基盤自体がお亡くなりになったということ。
バッテリーの劣化による通電不能ならまだしもこのようなレアケースに当たったのは初。
しかし直前まで元気に動いていたものが、こうも一晩で簡単にダメになってしまうとは。
やはり古い旧機種を使い続けるのはリスキーだということ。原因はわからないが。。
なにより、日々のバックアップの重要性をあらためて痛感した。
・中のデータ復旧
私の場合は、個人レベルでは対処不可能な端末で、携帯ショップに持って行っても基板交換となるだろうから、データ自体は無くなる。
もし中のデータがどうしても必要なものなら、専門の業者に依頼すればもしかすると復旧は可能かもしれない。
ただし当然、それなりに高額の作業料金を支払う必要がある。
幸い私は、特に重要なものはスマホ本体ではなくSDカードにデータを入れていたので、復旧はあきらめて新たな機種を使うことにした。
・安全に廃棄する
このような絶望的な状況の端末でも、個人情報時代の現代。そのまま安易にポイっと捨てることはあまり推奨出来ない。
万が一、を考えると復旧できてしまうスキルのかたもいるかもしれないからだ。
ということで一工夫。まずはあらゆるコネクタを開け、バックパネルを外した状態の端末を海水レベルの塩水に一晩くらいつけておく。
ただの水ではなく塩水、というのがポイントで、一般的な水没携帯は電源が入らなくても実はデータは生きている可能性がある。
ところが塩水の場合、ナトリウムイオンが基盤に固着して電気的に復旧が難しくなる。
ここまでしておけばもうほぼ安全。あとはリサイクル精神で携帯電話ショップに行って、端末を廃棄してもらうことをおすすめする。
貴方の壊れたスマホ内に使われていたレアアース(レアメタル)が、新たな電子部品となって生まれ変わることだろう。