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※暫定加筆修正版-前編。極めて冗長なほどに文字量が多いので、フォントサイズはいつもより小さめ。
★1.ヘアと向き合う★
先日「アンダーヘアをマジメに語る」ということで音声動画を公開したのだが、今回はその拡張テキスト版ライフハックとしてもう少し掘り下げておこうと思う。
私の主張は動画終盤部の通りただ一つ、「アンダーヘアの処理言論をタブー視するな」だ。
私はN.E.U.T.R.A.Lアンダーヘア支部(←そんなものは無い)の会長として、ゆくゆくは日本の男女共にヘアを処理することがマジョリティとなるよう運動を重ねていくつもりである。
さて、ヘア処理が欧米や中東では比較的市民権を得ているのに対し、日本国内ではどうして未だに様々な偏見や差別が根強いのだろうか。
男性ならば悪趣味と錯誤されるし、女性もアングラ関連に従事しているのではないかとか、特有の嗜好をしているのではないか等と誤解されてしまう。
動画内での考察のように、過去の文化的背景の影響はあると思われるが、先進国家の一つに数えられるはずの現代日本でこれらの極端な偏見が根付くのはひとえに、「我々がマイノリティだから」に過ぎないのである。
つまり何の陰謀論でもなく、単にヘア処理が当たり前になれば、あるいは処理についてもっとオープンな話題が出来るようになれば、ネガティブな言論はぐっと陰を潜めるはずなのだ。
そこで今回は除毛や脱毛といった処理について、これから処理を行う方やいま行っている方が、改めて知っておきたい点を網羅しておこうと思う。
ちなみに最初に断っておくが、私は一時期美容業界に従事はしていたが、脱毛・エステ等の業界の回し者ではない。
むしろ当のそれらの業界や広告業界の脱毛マーケティングが圧倒的に力不足のため、全くヘア処理文化が根付かないことに私は憤慨している立場である。
これからの以下の記述は主に女性をターゲットにしている。しかし主張したい部分は男性に向けてもほぼ同じである。
(そもそも男性は体の構造上、処理のハードル自体が決して高くない)
また、記述内の一般女性のイメージサンプルは、複数の個人的体験に基づいた主観・体感が多分に含まれている。
しかし私は、海外女性マンセーや日本人女性へのバッシングを意図としていない。
私は日本女性が好きである。欧米女性も好きである。中東女性も好きである。というか男性であるがゆえ、持たざる者として、当然に女性が好きである。
だから単にヘア処理について、個々がオープンに考慮した上であらゆる選択肢が認められてほしいだけなのである。
加えて、表現に関しても出来るだけ直接的に過剰にならないようしたので、老若男女問わず読めるのではないかと思う。
ヘア処理に関して何らかいま興味を持つ方、これから少しでも興味を持ちたいと考えている方の全てへ、"一"ヘア処理ユーザとしての意見としてご笑覧頂きたい。
★2.ヘア処理の必要性★
人類の公衆衛生が劇的な向上を果たして久しい昨今。
特にこの日本では、身の回りの除菌抗菌と、ある意味で潔癖症な程である。
若者層では、一昔前は生えっぱなしの眉毛だった女性達は手入れが当たり前になり、男性でさえ身だしなみの一つとして認識されるようになってきた。
女性の身だしなみは他にもわき毛から始まり、すね毛、腕毛、指毛、背中、顔、、処理すべき部位は枚挙に暇がない。
(男性も同様に、営業職のような印象第一の職種等では指毛や顔毛の処理が好評だ)
しかしアンダーヘア(以下ヘア)は?という話なのである。
なぜ欧米や中東圏に比べ、日本女性は処理をしないのか?
(そんなことは無いという方は銭湯やプールの更衣室あるいは家庭内で、家族や友人・恋人など、他人のそれをよく観察した後に読み進めてほしい)
大抵ヘアはいじるべきでない、という禁忌感の始まりは「大人になるにつれて発達する器官を、ヘアは守るもの」とか「雑菌の侵入を防いでいる」とか「処理で器官を傷める方が良くない」という間違った知識のためである。
もうちゃんちゃら可笑しいほどに大間違いである。
貴方のヘアは器官を防御できるほどの堅牢性を持ったオリハルコン製なのだろうか?
雑菌などあらゆる所に天文学単位住んでいる中、常に清潔な衣服や下着の発明を差し置いて、貴方のヘアが未だに雑菌を跳ね返すのに第一線級だと言うのか?
処理で器官を傷めてしまうのは、単に貴方の処理方法が間違っているだけの話ではないのか?
もうちゃんちゃら可笑しい(二回目)、片腹大激痛なのである。
これらの全ての始まりは、日本の学校や家庭内で行われる教育に責任があると言っても過言ではない。
教師や大人が変にぼかした表現で説明を行うことで、却って教育を受ける子供たちはニヤついた表情で、気恥ずかしさを感じながら、まるで性の話題自体がタブーかのように成人になっていくのである。
さて、私は日本だからこそ、女性だからこそ処理すべきと考える。
まずは日本の気候の問題である。
近年の日本の夏は、まるで亜熱帯と表現されるほどに、高温多湿なのである。
しかも日本人の汗は、塩分濃度が比較的高く、ベタ付きやすい。
よって当然に夏は身体の清潔感が失われやすいのである。
それゆえ風呂という文化が昔から発展していた側面も否定できない。
加えて冬。乾燥はひどく、そして寒い。ケアを怠れば、あっという間に肌のコンディションは悪くなるのである。
春夏秋冬を通して、四季が美しい一方、気温と湿度の変化が大きく、季節の変わり目は体調を崩しやすいのと同義で、本来体に備わった恒常性だけではお肌の美容という観点において、季節に太刀打ちしにくいのが現代人の現状である。
すなわち、肌、その中でも特にデリケートと呼ばれる器官こそ、否、ヘアこそ、一定のコンディションに保つ必要があるのだ。
毛には全て毛周期として、成長速度の差がある。例えばきっちりと切り揃えた髪の毛がいつの間にか不揃いになるのはそのためだ。
そこで髪の毛と同じく、器官の状態を一定にする=ヘアを一定の状態にしておく、ということが後々のケアのしやすさに繋がるのである。
さらにヘアに関して、女性の場合。
どうしても器官の構造上、手入れが行き届きにくいことと共に、湿度が常に高い状態に置かれている。
つまり本来はケアを特段してあげてほしい場所なのである。
もし貴方がパートナーがいるのなら、ぜひ自らの器官を鏡でよく見てほしい。
おそらく日本では自身の器官をじっくりと観察したことがある女性は少ないであろう。そしてひときわ抵抗感があるに違いない。
これも先述のタブー視する風潮が一因である。
あるいは生理を昔は月の穢れと表現したように、器官は不浄のものである、という観点もあるのかもしれない。
(最もそれは他の文化圏でも決して特殊なものではないが)
しかし、だ。パートナーがいるのであれば、自然と行為が発生する。
ならば器官を交接する行為において、あるいはオーラルでの行為においても、貴方の器官は重要な場所なはずである。
さて、鏡に映した貴方の器官はヘアで埋もれていないだろうか?
美しく、清潔なものだろうか?
少なくとも女性性を持って育ってきたとしたら、多少なりとも美や身だしなみは大切だという価値観は持ち合わせていることと思う。
もちろん全く興味のない方もいるであろうし、そしてパートナーなど縁がない方もいるだろう。
しかし、それでも尚、貴方の器官は大切な貴方の体の一部なのである。
一生付き合い、愛でてあげるのが人として生まれた道理と言えよう。
★3.ヘア処理の方法論★
もし貴方が処理の必要性をほんのわずかにでも感じて頂けたなら、次は実践である。
まずは処理する場所(専門店か宅内か)の選定である。
私は断然、貴方自身で処理することをお勧めする。
初めて処理を行うのは知識もない中で、怖い、というイメージもある方もいるだろうが、所詮貴方自身の体の一部である。
しかも欧米では自身はもちろん、友人・恋人間で処理を行うことは決して珍しくない。
同じ人間に出来て貴方だけが出来ないことはないのだ。
加えてプロに任せるのは経済的にとても痛いことと共に、日本国内ではまだまだ対応できるレベルが安定せず、専門店は多くない。
(そもそもヘア専門の美容師は一応存在するものの、メディア業界でさえ、ヘアメイクという名のアルバイトの一般女性がヘア処理施術を行うことが主流である)
貴方がケアに万全を期したいような何らか理由があったり、器官の状態を査定される特別な職種なら兎も角、わざわざ縁もゆかりもないプロと言う名の他人に、高いお金を払って器官を見せる必要はないはずである。
次に道具の選定。
大まかに、脱毛なのか、カットを含めた除毛なのか、あるいは奇をてらって染毛なのか、の三択である。
ちなみに私は染毛はお勧めしない。
欧米では染毛という選択肢は決して少なくなく、腕毛やすね毛を目立たせなくするためにも利用されてる。
しかしそもそも日本人のヘアは通常はメラニン色素の濃い純粋な黒なはずである。
欧米人は元々色素が薄い毛色であることと、大抵毛質自体が比較的柔らかい。
つまりいかようにも染まりやすく、毛があること自体をファッションの一部としても楽しみやすいのである。
ヘアに対しては、頭髪にも使うブリーチやヘアカラーといった薬剤の濃度を多少薄めたものを本来は使用するが、残念ながらそれでも毛内部のメラニン破壊の際に、日本人女性の肌には強い刺激性が残る。
つまり欧米人は肌自体も薬剤に対する耐性が元々強いのである。
(これは女性が化粧品で欧米メーカーのものを使用すると、肌が荒れる、という事由と同義である)
刺激の少ないものは植物染料を使ったヘナやヘアマニキュアがあるが、そもそも元の毛色自体が黒なのだ。
そこへ新たに色を乗せることはかなり難儀である。
(むしろ地毛のカラーチャートが暗色なほど染毛はエキセントリックになりやすいことと、後述するIライン以下の処理に向かない)
続いて除毛について。
これには薬剤を使用する方法と、剃刀やハサミなど道具にて行う方法の二通りに大別される。
除毛剤に関しては、もちろん個人差はあるものの、ブリーチ的な過酸化水素刺激と違い、アルカリ化を伴った単なるシスチン結合の切断なので、肌に対してはそこまで悪くない。
巷によくある古い角質をふき取る化粧水と、原理は同じである。
アルカリ化でたんぱく質を軟化させ、除去しているに過ぎない。
もちろん器官に近い所の肌に少量の薬剤を塗布して反応を試す所謂パッチテストは事前に必須であるが、適切に使用すればむしろ、器官周辺の肌を柔軟清浄に保つことが出来る。
女性の場合は、外部に内臓がオープンになっているとも言えるので、そこへ付着しないよう注意しなければならないが、それでも十分に個人で出来る範囲である。
しかし、私はやはり簡易性を重視し、剃刀やハサミをお勧めする。
どうしても処理後はチクチクする、というイメージが先行しているため敬遠されがちだが、それは処理方法が間違っているだけである。
ハサミの場合であれば、単なる直線のパッツン切りにするのではなくて、毛量を少なくするスキバサミ、あるいはそれの剃刀バージョンであるスキレザーを使用してほしい。
処理後にまとまった毛量の毛の先端が尖るから肌に突き刺さって痛いのである。
毛をすいて量を少なくし、毛の長さもまばらになれば一本一本の刺激も当然に抑えられる。
(これは繊維の太いウールのセーターがチクチクするのと同じである)
もしそれでもチクチクが気になるようであれば、昔ながらの線香で焼き切る方法に似た、ヒートカッターをお勧めする。
発泡スチロールを熱線で切断するかの如く、熱でカットした毛の先端を丸く焦がしながら処理できるのである。
必ずこの手の器具にはガードが付いているので、肌に熱線が直接触れてしまうことはまずない。
さて、次に剃刀。
まずは不意の横滑りに対応できるガード付きは必須で、シェービングクリームもしくは石鹸やボディーソープを使いながら、4枚刃や5枚刃などの剃刀を用いれば、カミソリ負け対策は万全である。
ただし、複数刃を使用するときは、毛の長い・多い場所をいっぺんに剃ろうとしてはいけない。
毛が刃の間に詰まって使い物にならなくなってしまうのはもとより、抵抗が強く、刃も肌も傷めてしまう。
続いて剃り方。これも大部分の方が使い方を間違えている。
毛流れに従って刃を動かす正剃りは、肌に負担が少ない分、キレイに処理しにくく、深剃りが出来ないため、毎日のケアが冗長になってしまう。
とはいえ、毛流れとは反対に刃を動かす逆剃りは、残さず剃りきれる反面、慣れないうちは明らかに肌を傷めてしまうだろう。
そこで私はナナメ剃り、あるいは横剃りをお勧めする。
やり方は簡単で、毛の流れに対しておおよそ45度方向に逆剃り、または90度方向に剃るのである。
正剃りと逆剃り双方のメリットをバランスよく体感できることに加え、毛の先端のチクチク感も感じずらい。
しかしそれでも、慣れないうちはカミソリ負けやかゆみを感じてしまうかもしれない。
だがそれは文字通り慣れ次第であって、人間の肌は実に良く出来ている。
処理を繰り返すうちにいつの間にか肌質は強くなり、特に気にならなくなっていくはずである。
後編へ続く、、、
※暫定加筆修正版-前編。極めて冗長なほどに文字量が多いので、フォントサイズはいつもより小さめ。
★1.ヘアと向き合う★
先日「アンダーヘアをマジメに語る」ということで音声動画を公開したのだが、今回はその拡張テキスト版ライフハックとしてもう少し掘り下げておこうと思う。
私の主張は動画終盤部の通りただ一つ、「アンダーヘアの処理言論をタブー視するな」だ。
私はN.E.U.T.R.A.Lアンダーヘア支部(←そんなものは無い)の会長として、ゆくゆくは日本の男女共にヘアを処理することがマジョリティとなるよう運動を重ねていくつもりである。
さて、ヘア処理が欧米や中東では比較的市民権を得ているのに対し、日本国内ではどうして未だに様々な偏見や差別が根強いのだろうか。
男性ならば悪趣味と錯誤されるし、女性もアングラ関連に従事しているのではないかとか、特有の嗜好をしているのではないか等と誤解されてしまう。
動画内での考察のように、過去の文化的背景の影響はあると思われるが、先進国家の一つに数えられるはずの現代日本でこれらの極端な偏見が根付くのはひとえに、「我々がマイノリティだから」に過ぎないのである。
つまり何の陰謀論でもなく、単にヘア処理が当たり前になれば、あるいは処理についてもっとオープンな話題が出来るようになれば、ネガティブな言論はぐっと陰を潜めるはずなのだ。
そこで今回は除毛や脱毛といった処理について、これから処理を行う方やいま行っている方が、改めて知っておきたい点を網羅しておこうと思う。
ちなみに最初に断っておくが、私は一時期美容業界に従事はしていたが、脱毛・エステ等の業界の回し者ではない。
むしろ当のそれらの業界や広告業界の脱毛マーケティングが圧倒的に力不足のため、全くヘア処理文化が根付かないことに私は憤慨している立場である。
これからの以下の記述は主に女性をターゲットにしている。しかし主張したい部分は男性に向けてもほぼ同じである。
(そもそも男性は体の構造上、処理のハードル自体が決して高くない)
また、記述内の一般女性のイメージサンプルは、複数の個人的体験に基づいた主観・体感が多分に含まれている。
しかし私は、海外女性マンセーや日本人女性へのバッシングを意図としていない。
私は日本女性が好きである。欧米女性も好きである。中東女性も好きである。というか男性であるがゆえ、持たざる者として、当然に女性が好きである。
だから単にヘア処理について、個々がオープンに考慮した上であらゆる選択肢が認められてほしいだけなのである。
加えて、表現に関しても出来るだけ直接的に過剰にならないようしたので、老若男女問わず読めるのではないかと思う。
ヘア処理に関して何らかいま興味を持つ方、これから少しでも興味を持ちたいと考えている方の全てへ、"一"ヘア処理ユーザとしての意見としてご笑覧頂きたい。
★2.ヘア処理の必要性★
人類の公衆衛生が劇的な向上を果たして久しい昨今。
特にこの日本では、身の回りの除菌抗菌と、ある意味で潔癖症な程である。
若者層では、一昔前は生えっぱなしの眉毛だった女性達は手入れが当たり前になり、男性でさえ身だしなみの一つとして認識されるようになってきた。
女性の身だしなみは他にもわき毛から始まり、すね毛、腕毛、指毛、背中、顔、、処理すべき部位は枚挙に暇がない。
(男性も同様に、営業職のような印象第一の職種等では指毛や顔毛の処理が好評だ)
しかしアンダーヘア(以下ヘア)は?という話なのである。
なぜ欧米や中東圏に比べ、日本女性は処理をしないのか?
(そんなことは無いという方は銭湯やプールの更衣室あるいは家庭内で、家族や友人・恋人など、他人のそれをよく観察した後に読み進めてほしい)
大抵ヘアはいじるべきでない、という禁忌感の始まりは「大人になるにつれて発達する器官を、ヘアは守るもの」とか「雑菌の侵入を防いでいる」とか「処理で器官を傷める方が良くない」という間違った知識のためである。
もうちゃんちゃら可笑しいほどに大間違いである。
貴方のヘアは器官を防御できるほどの堅牢性を持ったオリハルコン製なのだろうか?
雑菌などあらゆる所に天文学単位住んでいる中、常に清潔な衣服や下着の発明を差し置いて、貴方のヘアが未だに雑菌を跳ね返すのに第一線級だと言うのか?
処理で器官を傷めてしまうのは、単に貴方の処理方法が間違っているだけの話ではないのか?
もうちゃんちゃら可笑しい(二回目)、片腹大激痛なのである。
これらの全ての始まりは、日本の学校や家庭内で行われる教育に責任があると言っても過言ではない。
教師や大人が変にぼかした表現で説明を行うことで、却って教育を受ける子供たちはニヤついた表情で、気恥ずかしさを感じながら、まるで性の話題自体がタブーかのように成人になっていくのである。
さて、私は日本だからこそ、女性だからこそ処理すべきと考える。
まずは日本の気候の問題である。
近年の日本の夏は、まるで亜熱帯と表現されるほどに、高温多湿なのである。
しかも日本人の汗は、塩分濃度が比較的高く、ベタ付きやすい。
よって当然に夏は身体の清潔感が失われやすいのである。
それゆえ風呂という文化が昔から発展していた側面も否定できない。
加えて冬。乾燥はひどく、そして寒い。ケアを怠れば、あっという間に肌のコンディションは悪くなるのである。
春夏秋冬を通して、四季が美しい一方、気温と湿度の変化が大きく、季節の変わり目は体調を崩しやすいのと同義で、本来体に備わった恒常性だけではお肌の美容という観点において、季節に太刀打ちしにくいのが現代人の現状である。
すなわち、肌、その中でも特にデリケートと呼ばれる器官こそ、否、ヘアこそ、一定のコンディションに保つ必要があるのだ。
毛には全て毛周期として、成長速度の差がある。例えばきっちりと切り揃えた髪の毛がいつの間にか不揃いになるのはそのためだ。
そこで髪の毛と同じく、器官の状態を一定にする=ヘアを一定の状態にしておく、ということが後々のケアのしやすさに繋がるのである。
さらにヘアに関して、女性の場合。
どうしても器官の構造上、手入れが行き届きにくいことと共に、湿度が常に高い状態に置かれている。
つまり本来はケアを特段してあげてほしい場所なのである。
もし貴方がパートナーがいるのなら、ぜひ自らの器官を鏡でよく見てほしい。
おそらく日本では自身の器官をじっくりと観察したことがある女性は少ないであろう。そしてひときわ抵抗感があるに違いない。
これも先述のタブー視する風潮が一因である。
あるいは生理を昔は月の穢れと表現したように、器官は不浄のものである、という観点もあるのかもしれない。
(最もそれは他の文化圏でも決して特殊なものではないが)
しかし、だ。パートナーがいるのであれば、自然と行為が発生する。
ならば器官を交接する行為において、あるいはオーラルでの行為においても、貴方の器官は重要な場所なはずである。
さて、鏡に映した貴方の器官はヘアで埋もれていないだろうか?
美しく、清潔なものだろうか?
少なくとも女性性を持って育ってきたとしたら、多少なりとも美や身だしなみは大切だという価値観は持ち合わせていることと思う。
もちろん全く興味のない方もいるであろうし、そしてパートナーなど縁がない方もいるだろう。
しかし、それでも尚、貴方の器官は大切な貴方の体の一部なのである。
一生付き合い、愛でてあげるのが人として生まれた道理と言えよう。
★3.ヘア処理の方法論★
もし貴方が処理の必要性をほんのわずかにでも感じて頂けたなら、次は実践である。
まずは処理する場所(専門店か宅内か)の選定である。
私は断然、貴方自身で処理することをお勧めする。
初めて処理を行うのは知識もない中で、怖い、というイメージもある方もいるだろうが、所詮貴方自身の体の一部である。
しかも欧米では自身はもちろん、友人・恋人間で処理を行うことは決して珍しくない。
同じ人間に出来て貴方だけが出来ないことはないのだ。
加えてプロに任せるのは経済的にとても痛いことと共に、日本国内ではまだまだ対応できるレベルが安定せず、専門店は多くない。
(そもそもヘア専門の美容師は一応存在するものの、メディア業界でさえ、ヘアメイクという名のアルバイトの一般女性がヘア処理施術を行うことが主流である)
貴方がケアに万全を期したいような何らか理由があったり、器官の状態を査定される特別な職種なら兎も角、わざわざ縁もゆかりもないプロと言う名の他人に、高いお金を払って器官を見せる必要はないはずである。
次に道具の選定。
大まかに、脱毛なのか、カットを含めた除毛なのか、あるいは奇をてらって染毛なのか、の三択である。
ちなみに私は染毛はお勧めしない。
欧米では染毛という選択肢は決して少なくなく、腕毛やすね毛を目立たせなくするためにも利用されてる。
しかしそもそも日本人のヘアは通常はメラニン色素の濃い純粋な黒なはずである。
欧米人は元々色素が薄い毛色であることと、大抵毛質自体が比較的柔らかい。
つまりいかようにも染まりやすく、毛があること自体をファッションの一部としても楽しみやすいのである。
ヘアに対しては、頭髪にも使うブリーチやヘアカラーといった薬剤の濃度を多少薄めたものを本来は使用するが、残念ながらそれでも毛内部のメラニン破壊の際に、日本人女性の肌には強い刺激性が残る。
つまり欧米人は肌自体も薬剤に対する耐性が元々強いのである。
(これは女性が化粧品で欧米メーカーのものを使用すると、肌が荒れる、という事由と同義である)
刺激の少ないものは植物染料を使ったヘナやヘアマニキュアがあるが、そもそも元の毛色自体が黒なのだ。
そこへ新たに色を乗せることはかなり難儀である。
(むしろ地毛のカラーチャートが暗色なほど染毛はエキセントリックになりやすいことと、後述するIライン以下の処理に向かない)
続いて除毛について。
これには薬剤を使用する方法と、剃刀やハサミなど道具にて行う方法の二通りに大別される。
除毛剤に関しては、もちろん個人差はあるものの、ブリーチ的な過酸化水素刺激と違い、アルカリ化を伴った単なるシスチン結合の切断なので、肌に対してはそこまで悪くない。
巷によくある古い角質をふき取る化粧水と、原理は同じである。
アルカリ化でたんぱく質を軟化させ、除去しているに過ぎない。
もちろん器官に近い所の肌に少量の薬剤を塗布して反応を試す所謂パッチテストは事前に必須であるが、適切に使用すればむしろ、器官周辺の肌を柔軟清浄に保つことが出来る。
女性の場合は、外部に内臓がオープンになっているとも言えるので、そこへ付着しないよう注意しなければならないが、それでも十分に個人で出来る範囲である。
しかし、私はやはり簡易性を重視し、剃刀やハサミをお勧めする。
どうしても処理後はチクチクする、というイメージが先行しているため敬遠されがちだが、それは処理方法が間違っているだけである。
ハサミの場合であれば、単なる直線のパッツン切りにするのではなくて、毛量を少なくするスキバサミ、あるいはそれの剃刀バージョンであるスキレザーを使用してほしい。
処理後にまとまった毛量の毛の先端が尖るから肌に突き刺さって痛いのである。
毛をすいて量を少なくし、毛の長さもまばらになれば一本一本の刺激も当然に抑えられる。
(これは繊維の太いウールのセーターがチクチクするのと同じである)
もしそれでもチクチクが気になるようであれば、昔ながらの線香で焼き切る方法に似た、ヒートカッターをお勧めする。
発泡スチロールを熱線で切断するかの如く、熱でカットした毛の先端を丸く焦がしながら処理できるのである。
必ずこの手の器具にはガードが付いているので、肌に熱線が直接触れてしまうことはまずない。
さて、次に剃刀。
まずは不意の横滑りに対応できるガード付きは必須で、シェービングクリームもしくは石鹸やボディーソープを使いながら、4枚刃や5枚刃などの剃刀を用いれば、カミソリ負け対策は万全である。
ただし、複数刃を使用するときは、毛の長い・多い場所をいっぺんに剃ろうとしてはいけない。
毛が刃の間に詰まって使い物にならなくなってしまうのはもとより、抵抗が強く、刃も肌も傷めてしまう。
続いて剃り方。これも大部分の方が使い方を間違えている。
毛流れに従って刃を動かす正剃りは、肌に負担が少ない分、キレイに処理しにくく、深剃りが出来ないため、毎日のケアが冗長になってしまう。
とはいえ、毛流れとは反対に刃を動かす逆剃りは、残さず剃りきれる反面、慣れないうちは明らかに肌を傷めてしまうだろう。
そこで私はナナメ剃り、あるいは横剃りをお勧めする。
やり方は簡単で、毛の流れに対しておおよそ45度方向に逆剃り、または90度方向に剃るのである。
正剃りと逆剃り双方のメリットをバランスよく体感できることに加え、毛の先端のチクチク感も感じずらい。
しかしそれでも、慣れないうちはカミソリ負けやかゆみを感じてしまうかもしれない。
だがそれは文字通り慣れ次第であって、人間の肌は実に良く出来ている。
処理を繰り返すうちにいつの間にか肌質は強くなり、特に気にならなくなっていくはずである。
後編へ続く、、、