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【廃墟】日本と世界にかつてあった周囲から隔絶された集落/町/村

日本や世界の各地には、独特の文化が残る土地があります。

 

また、あちこちを旅行していると、どきりとするような場所にある集落を見ることもあります。

 

中には、すでに人がいなくなった廃村などに入ったことがある人もいることでしょう。

独特の文化が残る土地、そして、廃墟となった町や集落の中には、何らかの理由で外界との接触をせずに生活してきた場所が少なくありません。

 

この記事では、周囲から隔絶された状態で生活していた集落や町、村についてご紹介していきます。

 

 

静岡県:京丸集落

「隠れ里」とは、山奥にひっそりと、人知れず作られた集落のことを指します。

 

漫画やゲームの題材に使われることも多く、この言葉にロマンを感じる人も多いことでしょう。

 

かつて静岡県にあった京丸集落は、この隠れ里のイメージに限りなく近いものだったとされています。

 

京丸集落があった場所は、現在の静岡県浜松市にあたります。

 

政令指定都市である浜松市にあるということで都会の一画を思い浮かべるかもしれません。

 

しかし実際は、深い山の中に位置しています。

 

京丸集落の成立は1300年に遡るとされています。

 

一説によると南北朝の戦いから逃れた京都の人々が住んだことが起源と言われ、全員が藤原姓だったようです。「京丸」の京は、京都からきているとか。

 

京丸集落は長い間、集落外の人々に知られることはありませんでした。

 

しかし、享保の頃(江戸時代)に起きた洪水により流されたお椀が川下で見つかり、その存在が知られることになりました。

 

正に「隠れ里」とでも言うべき京丸集落は、民俗学者の興味を引きました。

 

柳田国男と折口信夫は、実際に現地調査も行ったようです。

 

最盛期には、20世帯程の人々が暮らしていたとされています。

 

しかし、その人数は徐々に減り、昭和の末には1人の住人を残すのみでした。

 

1980年には最後の住人が無くなり、京丸集落は廃村となりました。

 

京丸集落は、民俗学的に、歴史的に重要な場所でもあります。

 

現在でも、その跡地を訪れれば、代々の藤原家当主が住んだ立派な家屋を見ることができます。

 

また、悲劇の恋物語である「京丸牡丹伝説」も、この地に伝わっています。

 

なんでも、 一緒になれない恋人同士が大きな牡丹の花に変じたとか。

 

その花は今もなお、無人の京丸集落に咲いているのかもしれません。

 

宇連集落

愛知県には、古代から人の営みがあったことは確かなものの、謎に満ちた廃村があります。それが「宇連集落(うれしゅうらく)」です。

 

宇連集落は愛知県の北側、北設楽郡にかつて存在した集落です。

 

宇連川の上流、山深い場所に位置し、交通手段の発展した現代ですら、訪れるのは容易ではありません。

 

この集落が存在した当時は、まさに周囲から隔絶された陸の孤島だったことでしょう。

 

宇連集落周辺からは、縄文時代の土器が発見されています。

 

それは、この辺鄙な場所で人が生活していたことを指しています。

 

しかし、その後は一旦、人が離れたと考えられます。

 

時間が流れ室町時代あたりになると、宇連集落に一石五輪塔が作られました。

 

これ以降は人々が定住したと考えられます。

 

この五輪塔は村人にとって信仰の対象だったと考えられますが、信頼できる資料の少なさから、その真実は定かではありません。

 

近世に入ると、宇連集落では少数ながらも、常に人が生活していました。

 

しかしその生活は常に貧しく(周囲と交流することができない・食料や物資が気軽に手に入らない)、厳しいものだったと考えられます。

 

戦後になると、宇連集落の人口は大きく増えました。

 

総勢25戸程の人々が暮らしており、1947年には分校が作られました。

 

しかし、1967年には廃校となってしまいます。

 

詳細な時期は不明ですが、1980年頃に宇連集落は無人となりました。

 

最後まで電気は通らず、時代にそった暮らしが保てなかったことが一因とも考えられます。

 

そして現在、宇連集落跡地で見られるのは、崩れた分校や廃神社、そして、伐採された木々などです。

 

人々の行き来が困難なこの場所に、なぜ人々は集落を作ったのでしょうか。

 

現在では、その真意を知ることはできません。

 

岳集落

ホラーゲーム好きであれば、「SIREN」というゲームを知っていることでしょう。

 

和風かつ不気味すぎる世界観が特徴のゲームであり、途中で投げ出したくなる程怖い作品です。

 

このゲームは、「羽生蛇村(はにゅうだむら)」という架空の村を舞台としています。

 

そして、これから紹介していく「岳」そして羽生蛇村は、これから紹介していく「岳集落(たけしゅうらく)」がモデルだとされています。

 

岳集落は、埼玉県秩父市に位置する廃村です。

 

山の中に存在した集落で、朽ち果てた家が今もなお残っています。

 

心霊スポットとしても有名で、訪れる人が後を絶ちません。

 

岳集落の始まりは、江戸時代位のことだとされています。

 

集落ができた当初は、周辺集落との付き合いも少なく、隔絶された環境で暮らしていたと考えられます。

 

しかし、明治頃になると交流が活発化。

 

これまでとは違い、それなりの賑やかさを持つ集落となったようです。

 

しかし、その賑やかさも束の間。

 

戦後には人口が流失し、どんどん過疎化してしまいました。

 

1972年にはその流れで、岳集落は無人の廃墟となってしまったのです。

 

岳集落そのものは、そもそも「いわく」のある場所ではありません。

 

しかし、この地に昔からあったお地蔵さんが行方不明になり、その後に放火事件が起こったことから、心霊スポットとして有名になってしまったのかもしれません。

 

ヴォズロジデニヤ島

「ヴォズロジデニヤ島」は、中央アジアのオアシス・アラル海に位置する半島です。

 

カザフスタンとウズベキスタンの間あたりを想像すれば分かりやすいかもしれません。

 

かつては完全な島でしたが、アラル海が干上がったことから半島となりました。

 

舌を噛みそうな名前のこの島ですが、その重要性から、以前は「地図に載っていない島」の1つでした。

 

ヴォズロジデニヤ島の重要性。

 

それは、この島が以前、ソ連の生物兵器研究所として使われてきた歴史に関係しています。

 

元来、ヴォズロジデニヤ島は普通の島の1つでした。

 

しかし、1930年代になると、ソ連はこの島を細菌兵器の研究所として利用し始めました。

 

天然痘をはじめ、ボツリヌス菌といった40種類以上の恐ろしい菌類が、ここで研究されていたと言います。

 

ソ連はこの島の存在を極秘としていました。

 

地図にも載せず、島への出入りも大きく制限し、研究所の職員とその家族の生活は、全て島内で賄えるようにしていました。

 

1971年のこと。実験が失敗したのか、天然痘ウイルスが流出する事故が起きます。

 

結果10人の住民が感染、内3名が死亡しました。

 

事故の後始末をするのは困難で、翌1972年、ヴォズロジデニヤ島と研究所は放棄されることとなりました。

 

現在でも、ヴォズロジデニヤ島には当時の建物などが残されています。

 

しかし、島に立ち入ることは非常に危険。

 

今もなお、流出したウイルスが残っているかもしれないからです。

 

プリピャチ

「プリピャチ」もまた、ヴォズロジデニヤ島と同じくソ連が関係している町の1つです。

 

最悪の原発事故として知られるチェルノブイリ原発事故をご存じの人は多いことでしょう。

 

プリピャチはウクライナのキーウ(キエフ)にある市で、このチェルノブイリ原発にほど近い場所です。

 

プリピャチはそもそも、チェルノブイリ原発のために作られた都市でした。

 

市内に住む人々のほとんどは原発関係者で、閉鎖都市として秘密にされ、出入りも厳しく制限されていました。

 

反面、市民の生活水準は高いものだったとされています。

 

地図に載らない閉鎖都市とは言え、プリピャチは大都会。

 

人口もかなり多いものでした。

 

しかし原発事故により、プリピャチは一変します。

 

放射能によって汚染され、人が住めない場所になってしまったのです。

 

現在、プリピャチは無人のゴーストタウンと化しています。

 

廃墟内を観光することは可能なものの、放射能は変わらず残存しており、危険であることは変わりありません。

 

まとめ

「廃村」・「周囲から隔絶された集落」。

 

こうした言葉は、人の心をくすぐるものです。

 

怖いもの見たさで、訪れる人も少なくないことでしょう。

 

科学が発展し、移動手段が多様化した現在では、昔ではなかなか行くことができなかった場所に訪れることができるようになりました。

 

もしかすると、日本でも世界でも、これまで発見されていなかったような、新たな集落跡が見つかるかもしれません。

 

そこでは、どんな生活が営まれていたのでしょうか。

 

なぜ、周囲と関わらずに暮らしていたのでしょうか。

 

想像するとワクワクしてしまいます。

 

寄稿者:O.G.

編:yotsumao

 

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