去る某月某日、物議をかもしまくって仮説の提唱者を業火に焼いた、いわゆる某ナインティナイン岡村氏の例の発言。「オカムラ理論」とでも言えようか。
※注:同名のマジメな本当の理論のこととは無関係です。
なんとなーく世間的の好感度的には、結婚の話題でわずかに回復した感があったりなかったりするんだけど。
それはともかく、例のあの超展開仮説。
未曽有の事態に対して、倫理的には(少なくとも公に活躍する芸能人としては)軽率だし相応しくなかったであろうし、
歯に衣着せぬラジオとはいえもうちょい言い方ってあるやろと思う一方で、単純に説自体へは「そりゃ増えるやろな」と思ったヒトも決して少なくないはず。
そこで今回、ちょっと不真面目に、そして適当に、論の実態を検証をしてみようと思う。
本邦におけるコロナが「実際そこまで大したことなかったんじゃね?」の風潮が徐々に出始めているであろう頃、果たして「自粛」は各個人の経済にどのレベルのインパクトを残したのか。
っていうかきっと広いネット上には、既に私と同一の手法でデータを見てる人がいるような気がしないでもなく、もはやn番煎じだろうが、この勢いの思い付きに後悔はしていない。
まず先に結論
ひとまず検証した結果(詳細は後述する)を先に言うと、「なんだかんだ増えてるっぽい」=やっぱお財布事情に苦慮した結果、性風俗産業に足を踏み入れたヒトは少なくなかったのでは?
というふわっとした所感を抱くデータが見えた。っていうかそれだけしか見えんかった。
大風呂敷を広げてすまんかった。前置き云々をショートカットして検証の中身に飛びたいはこちら。(でもきっと、以下から順に流し読みしないとわけわかめ。)
前提
すでに多くのヒトたちが、件の中の「不況で性産業の従事者が増える」に対しては、実在する公的なデータ等を通して真相を物語っている。
※というか実際この点には、ほとんど争いが無い。例の仮説で大火事になったのは、氏の発言内の後半「配慮のない言い方」の方だ。
(ただし他方で、後日別のラジオで某爆笑問題の太田氏が語った、「おそらく氏の救いたかった人は(言いたかったことは)、氏の発言に怒り悲しんだ人たちが救いたいヒトと必ずしも別ではないはずだ」(意訳)に対しては私は考えさせられる。)
しかし職業に貴賤は無いとはいえ、やはりその「特殊さ」から推計の域を脱しにくい業務であるということ、また副業として働いている者、あるいはほんの一時的に身を置いた人たち、
さらに古くは援助交際から連なって今やネットやSNSを接点としたパパ活関連などの存在も無視できず、一体どこまでどのようにカウントするかによってかなり実態は変わってくるはずで、文字通り「暗数」は非常に表に出づらい職種だ。
しかも今般の災禍では、俗に言う「夜の街」の「不特定多数との濃厚接触」はまさしくリスク中のリスクであって、単にオモテの性産業の推計自体では、より変化が見えづらいのではないかと思った。
そこで唐突に、当記事では、「某FC2のコンテンツマーケット」にて発売された動画本数等の推移を分析することによって、コロナ禍の影響を見てみることにする。もしその闇のマーケット(?)を知らない人は適宜ぐぐってくれ。
実態が見えづらい理由
そもそも私がアダルト版コンテンツマーケットを分析対象として選択したのは、ネット経路であれば場として不特定「多数」という状況を店舗より回避しやすい、
加えて、一時的に困窮するのはやはり比較的若いヒトが多いとすれば、店舗よりネット上の方がより身を置きやすくなる傾向にあるのではないか、と考えたから。
さらに某FC2は、いわゆる「素人」が出演する動画を出せる国内最大級の有名マーケットであろう、
=つまりそれだけおカネに困ったヒトは動画を出しやすく売れやすい媒体であろう、
=ゆえに動画数の増加(通し番号が付く)を見れば、説を既存とは別の角度から立証できるのではないか、
ということからなのだが、それでも「増えてるっぽい」としか言いづらい理由についてはいくつかある。
まず当たり前の話だが、仮に顔などにモザイクがかかっていても(あるいは「絡み」がなかったとしても)、やはりネット上に体を晒すのは忌避感が強いであろう(特に一時的に身を置く者であればあるほど)という点。
また男性諸氏には説明不要であろうが、多くは「シロウトモノ」であって、真に「素人」かどうかとはまた別だという点。
すでに余裕でキャリアのあるセミプロや既存の性産業従事者を出演させていることもあるであろうし、
さらに国内外のネット上に転がる既出動画からの無断転載、過去の公開済み動画を再編集などして新たに公開しているパターン、
何度も同一モデルがシリーズで出演しているパターン、ひいてはAVメーカー自体が個人を装って販売しているケースもある様子。
また、岡村理論では女性を説の対象に設定していたが、残念ながら(?)某FC2には男性モデルも存在する。
そしてそもそも、お金儲けがメインの目当てではなく、完全な趣味(プレイ)の一環として夫婦や恋人同士などパートナーと共同で公開しているものも少なくないようだ。(いわゆる「ステイホーム」の暇を持て余して、のケースもあるだろう)
しかも、これは某FC2のシステム上の仕様なのかもしれないが、必ずしも動画の通し番号が大きければ新しい動画である、というわけでもないらしい。
(この点はちょっと不思議だが、なぜか販売日付は新しいが動画番号が古いものもいくつかあった)
また、アダルト版の固有動画URLなのに、なぜか一般版の同一動画番号URLにリダイレクトされるという謎現象も発生。
※飛ばされた先がエヴァ新幹線の動画とか、エヴァ厨の陰謀か。
というわけで、検証し始めて早々、単純な分析は出来ない気がMAXだったのだが、乗りかかった船ということで、「そんなノイズは全部誤差の範囲!」と割り切ってそのまま進めてみた。
検証の手法
先述のように、販売動画には一応マーケット内での通し番号が付いていて、それぞれ固有の数値になっている。そしてその数字は動画URL内の末尾にも使われている。
例えばこういった形
1. https://adult.contents.fc2.com/article_search.php?id=XXXXXXX
or 2. https://adult.contents.fc2.com/article/XXXXXXX/
※結局のところ1のURLにアクセスしても、実体として生成される固有ページは2のURLなので、直に2を叩いておk。(スラッシュエンドにしないとNot Foundになるよ)
そこで、ひたすらURLの当該番号を入力し直してみて、どの番号の動画がどの時期の物なのかを地道に探していくことにした。分析と言えば聞こえがいいが、もはや単なるパワープレイ。
だが既に動画自体が削除されていてページを閲覧できないことが多々あり、この作業感が果てしなかった。
しかしその結果をまとめて、単純にグラフ化すれば、コロナ流行の時期を境にネット上における性産業従事者がこんなにも増えている!を簡易に可視化できるはず。
っと思ったわけだが。
本題のデータその1
まず、月ごとの販売本数を調べてみた。
例えば1/1販売となっている動画と2/1販売となっている動画番号の差を求めれば、それはすなわち1月分の総公開動画本数とみなす。
(動画の通し番号は個人のプライバシーにも関わってきかねないと思うので、念のため一部を隠す)
わりと予想以上に驚くべき数字の多さだったのだが、新規販売動画本数=新規出演女性の数、とは限らない。
前項のように様々なケースがあるので、男性諸氏は現世に幻滅しないようにしていただきたい。
また先述のように、私はアナログ戦法で動画URLに当たりを付けていった関係上、同日に公開されている動画は無数にあり、それが必ずその日最初の(または最後の)動画なのかどうかを知ることが難しい。
そして2019年と2020年では、1日ごとに増加する本数がそもそも異なり(画像下部の「1日換算」の部分)、月間の動画本数には2019年で600前後、2020年で1000前後の誤差が発生する。
次に上記の表をグラフにした。
こうして見ると(あえてグラフの「形だけ」で印象を言うが)、2019年12月から2020年1月への動画本数の伸びはそれほど違和感が無いのだが、
そこから今年はひたすら右肩上がりに大きく増加傾向で、2020年12月時は過去最高本数に到達しそうな勢いに見える。
また一定区間を切り取っても2019年とはまるで様相が違い、少なくとも2019年2~4月は比較的落ち着いているが、その傾向がそのまま2020年同時期にも適用されるとすれば、さすがにこのグラフの形にはならないはずだ。
だが、肝心の「コロナによる困窮や貧困」の影響なのか、が実に見えにくい。
ちなみにこの時期のコロナ報道といえば、NHK特設サイトによれば下記のような流れ。
出典:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/chronology/
確かに徐々に深刻化していった時期なのだが、そもそも動画撮影から公開までは、アポ取りから編集作業、ページにアップ(そして審査?)等々のタイムラグがあるはずで、
各事態によっていよいよ困窮した人たちが動画出演に殺到し、それが間髪を置かずに公開されまくる、とは考えづらい。(もちろん個人の無編集も多いだろうが)
※ただしこの中では特に、志村けん氏の死去というニュースに衝撃を受けた人は少なくなく、ネット上のみならずお茶の間でさえ、
「このコロナという病は相当マズイやつなのではないか?」という印象を決定づけたはずで、一種の絶望感や危機感を多くの人に抱かせることになったという事実は無視できない。
さらに不思議なのは、昨年及び今年も、5月に年内最高本数を記録したかと思えば、6月に一時的に本数が落ちるという現象が起きている。
素人考えでは、例年ならGWで散財してしまったヒトの影響が6月に反映されそうな気がしないでもない。
今年においては、NHK特設サイトから国内の感染者数グラフを見ても自明だが、
引用:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/
最も皆が危機感を持ち、かつ日常の仕事が自粛や停止を余儀なくされた4月から5月までの全国緊急事態宣言の影響は計り知れないはずだ。
この間における困窮が、2020年6月の本数に波及しないのは少し疑問を覚える。
(とはいえ、本当に皆が皆「ステイホーム」状態だったため、動画出演などする機会さえなかったからともいえる。
また別の視点では、10万円の給付金や緊急小口などの貸付のほか、各制度を駆使して、一時的にしのげる人もいたからかもしれない。)
というわけで、あくまでも当該グラフの形だけを見れば、さほどコロナによる性産業従事者増加を感じない。
だが反面、そのグラフの元となる「数字」を見てもらえれば、明らかに本数が昨年よりも劇的に多いのもまた事実だろう。
ただし一応、その背景には先述のような様々なケースが存在するとともに、某FC2が個人動画の販路として着々と人気を得てきた結果、
あるいは機材の充実や低価格化などで個人撮影のしやすさが向上したゆえ、などの別要因も十分考えられるということを付言しておく。
おまけでデータその2
前項のデータに関連するが、ちょっとまた別のアプローチから攻めてみた。
動画本数のキリ番的なものを考えて、1万本増加が果たしてどのくらいの期間がかかっているか、を調べてみることに。
(前項と同じく、動画削除などの理由により、最大で通し番号10ほどの誤差はある)
ちなみに通し番号が100万の大台を突破したのが2018年12月なのだが、そこからの増加ペースが下記の日数だ。
2020年の現時点における最速が、6日間で1万本も動画本数が増加とか、もうこの国どうなってんねんと思う次第なんだが、前述のように様々なケースが(ry
ちなみにこの6日間という最速値、今年は8月下旬と10月に1回ずつある。
2019年でも8月に当時最速の10日間をたたき出しているのだが、2020年は10月にもう一回最速を記録しているという点に違和感を覚えないこともない。
あえてここに理由を見出せば、各制度による補償も出尽くしたころ、いよいよ困窮した結果、出演者が増えたため、と無理やり考えてみたり。
またさらにうがった見方をすれば、モデル側ではなく撮影者側(つまり今回においては主に男性を想定すると)が、
やはり性別を超えて困窮が広がっているために、動画販売によってでもおカネを稼がざるを得ない状況になっている、とも言えるのかも。
しかしこれだけ競合が増えているとすると、むしろ撮影者側(販売者側)の方が厳しい競争状態に置かれているのかもしれない。
※異なる撮影者間における「モデルの兼任」はそこまで厳格なルールがありそうには見えない。
いずれにしろそもそも論として、先のグラフと併せてみると2020年全体が昨年に比べて販売本数および増加ペースが圧倒的なのは言うまでもない結果。
11月現在、通し番号は155万を超えている。
(逆にそんな状況でもいまだ利益が取れるから参入がある=自粛の影響で男性視聴者が多いゆえに、とも表現できる)
まとめ
というわけで、先に述べた通り、なんだか時間と労力を掛けたわりにハッキリせず、よく分からないということが分かった。とにかく膨大な量の動画数だなと思いましたまる。
きっともっと専門的な見方をすれば、こんな些細なデータをきっかけにして色んな事が読み取れたり、もっと深ーく某FC2内の傾向から分析できることがあるんだろうなぁと思うんだけど。
ちなみに、動画タイトルもしくは動画紹介ページ内で、「コロナ」というキーワードが登場し始めたのは通し番号129~130万あたり、時期でいえば3月上旬から。
内容を細かく見ていないので不明だが、少なくともこの時期には、既にモデル側に何らかの事情が発生、あるいは販売者がそれを意識して撮影していたことが分かる。
しかし男女問わずこの手の話題には、はなっから嫌悪感を覚えて忌避しがちなんだけど、たぶんそれだけでは状況は良くなりづらいような気がしていて、
この「FC2統計」を駆使すると性に関することに限らず、ひいては若者の志向の傾向とかもっと色々な趨勢が見えてきそうだなぁとも思う。
いわゆるリアルのフィールドワークの前に、まずこんなネットの片隅の実態を見つめることで初めて分かることもあるんじゃないかなーと、とりあえず崇高なテーマを言って結んでみたり。
https://www.yotsumao.org/entry/hinkon-vio
おわり。
待望の続編