大痔主として徐々に確固たるキャリアを築きつつある(?)わけだけど、まぁみんないろんな薬を使ってると思うんだよね。
クリームやら注入軟膏やら、内服の漢方やら。とはいえ結局は、食生活や生活スタイル、あとは排便習慣自体を改善していかないと、痔そのものはなかなか良くならないんだけどね。
しかし痔になってしまったものはしょうがない。つらい症状をいち早く効果的に治すためにはやっぱり座薬だよねっていう話。
普通はステロイド入り坐剤
切れ痔や、いわゆるイボ痔の内痔核にしろ外痔核にしろ、結局は出血や痛みを伴う炎症が悩みの種なわけよ。
というわけで抗炎症という観点からは、やっぱり副腎皮質ホルモン。ステロイド剤入り一択だよね。
まぁドラッグストアに行けば主流はこういった品物。すんごいざっくり分類すると、有効成分名が「○○ゾン」(または××ゾロン)になってればステロイド入り。
ステロイドは副作用が―!なんて心配する人たちもいるんだけど、ぶっちゃけ痔でつらいのにそんなこと言ってる場合か?って話でw
せいぜい薬局レベルで売ってるものを、しばらく使った程度でどうにかなっちゃうほど強い作用なんてまず出ないので、まずは痔の不快症状を緩和させることが最優先。
ちなみにこちらの商品の成分はこんな感じ。
局所麻酔のリドカイン、収れん作用の酸化亜鉛、殺菌剤のイソプロピルメチルフェノール、抗アレルギーのクロルフェニラミン、修復作用のアラントイン、血行促進の酢酸トコフェロール、と必要なものは全部入り。
ちなみにこちらに配合されているステロイドはヒドロコルチゾンで、即効性があり、かつ強さは低レベル。
(厳密にはいわゆるミネラルコルチコイド作用によって、上位のステロイドに比べれば代謝にやや難ありつつも、一般人が使用する市販薬ではぶっちゃけ大差ない話。)
この手の商品ではプリザと共にボラギノールが市場の二大巨頭状態だね。※なおボラギノールはプレドニゾロン配合。
座薬が苦手な人あるある
さて閑話休題。
座薬をいざ使おうと思っても、なかなか手に取るのをためらう人が多いのは、使い方が良く分からんっていう部分だと思うんだよね。
あとは肛門さまは「出口」であって「入口」じゃねぇ!っていう発想から来る恐怖心。(んなこと言ったら直腸検査も大腸カメラもできないけどねw)
まずはせっかくなので、先述の品物のサイズ感でも見ておこうか。
全長はせいぜい3cm。これは各社どんな製品でもだいたいこんなもん。
そして肝心(?)の太さ。
直径1cm程度。この先頭がやや太めの砲弾型が挿入(と逆流防止)にポイントで、保存時に溶けて形が変わらないように、冷蔵庫などでこちらの「頭」を下にして保存しよう。
とまぁ座薬のサイズ感はこのように小指の半分くらいなわけよ。排便時のことを考えれば、みな小指すら入らないなんていうヤワな肛門様じゃないはずでw
で、入れる時はまず座薬をちょっと指でコロコロ触りながら表面を溶かす。体温程度で十分溶けるので、すべりが良くなるわけよ。
もしよりスムーズにしたい場合は、ワセリンなんかでもちょびっと先頭とか肛門様になじませておけば良いかと。
体勢は横向きに寝てもいいし、いわゆるウンチングスタイルでもお好みでおk。個人的には後者が楽だし早い。
そしておもむろに先端を肛門様に当てて、指で押し込んでいくだけ。
このとき失敗しがちなのは、遠慮してしまうことよね。加減して押し込みが足りないとすぐ出てきちゃうわけ。
ゆっくりで構わないから最低でも指の第一関節くらいは押し込む必要があって、それを通り過ぎると肛門様の括約筋(という無意識で締まる筋肉)が締まってくれて、あとは勝手に奥に飲み込んでくれる。
というわけで爪が伸びてると傷つけちゃうので爪は短く切った方がいいし、それこそ衛生的な意味でも使い捨てのビニール手袋とかを使った方がいいかもしれないね。
もし押し込んでるつもりでもなかなか上手くいかないって時には(っていうか痔の状態や肛門の腫れによってよくある)、肛門様を締めながらおもむろに立ち上がって足の筋肉も利用してみるのもいいかもしれん。
まぁコツは人それぞれな部分もあるけどね。痔主たるものぜひマスターしておこう。
長期使いたいなら非ステロイド
というわけで、たぶん1週間もステロイド入り坐剤を使っていれば、つらい症状はよくなっていくはずだけど、その後も痔の患部の保護や排便のしやすさ目的に座薬を日々使いたい時ってあるんだよね。
まぁ一応長期連用は控えましょう、とは言われているものの、病院に行けば平気で1ヶ月分の座薬渡されたりするもんで、あくまでも期間というよりは成分の強さ次第にもよるかなと。
でも肛門様はステロイドの吸収が良いとされている粘膜だし、症状が緩和した後に毎日使うのは遠慮がちになっちゃうもんで。
※ただもちろん中途半端にやめるのが一番ダメ。出血や痛みなどの自覚症状が良くなっても、その後も数日は使い続けよう。
そこで登場するのが非ステロイド坐剤。
市販でまずどこでも手に入るのは、こちらのボラギノールM一択。
ステロイドが入っていないのに、一体何が有効成分なのか?っていうと。
リドカイン、アラントイン、酢酸トコフェロールなどは他の商品でも定番として、抗炎症効果を期待して配合されているのは、いわゆるグリチルレチン。
まぁこれで強い炎症をおさえることは難しいけれど、ちょっとやそっとの痔ならこれで緩和するだろうし、寛解後の痔の再発予防的にも使えなくもないね。
あとこういった緩やかな効果を期待した座薬には、まずスース―系のメントール等は多く配合されていないので、そういった使用感が苦手な人にとってもいい薬。
しかしまぁ世には手術を要するレベルの大々痔主や、いわゆる「痔ろう」の方々などもいらっしゃるわけで、まさに痔は人類を苦しめる大敵。
こういった薬を賢く利用しながらも、やっぱり生活自体の見直しも不可欠なわけよ。
いまは軽い症状で治まっている人でも、一度クセになると痔は一生付き合っていく友人(?)でもあるので、ぜひ自分の症状と好みに合った常備薬を用意しておきたいものだよね。