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Self Review
重くなりがちな題材を、なんとか気軽に読めるように出来ないかと、表現方法を考えた文章。
構成の成否は別として、当テーマでひとまず書き残すという点において、目標を達したように思う。
なぜこのような形式にしたのか、呼称をなぜこうしたのか、そういった裏のメッセージを読み取れるようにしたかったのだが、それがなかなか上手くいっていない。
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あの空へのメッセージ
今どこで何してるのかさっぱり見当もつかないが、一応どこかで見ているかもしれないと思って、ここに書いておく。
小さい頃からいっつもアンタに言われてたことがある。俺が何かに失敗するたびに、そんなことぐらい予想しろ、って。
ハタチ後半になった今も、何かうまくいかないことがあると、その言葉を思い出す。そして、ちっとも成長していない自分に腹が立つ。
最後に会った葬式のとき、俺が喪主で仕切ってたはずなのに、色々空回りしてごめんな。
もっとうまくやれると思ったのに、やっぱりアンタには全然敵わない。
葬式の当日、アンタの弟さんが、こう言ったんだ。
「君がもしこれから先、父を超えようと思っているのなら、それはとても素晴らしいことだ。しかし、そのことを重荷に感じる必要はない。君が君であることを大切にしなさい」
アンタを超えたいなんて、俺はアンタ以外の誰にも言ったことない。まさかそのことについてアンタの実の弟から突然アドバイスを受けるなんて、なんか因果なもんだね。
あと、出棺のときさ、隣に誰もいないはずなのに、俺の肩にそっと手を置いてくれたのはアンタかい?
幽霊なんて信じちゃいないけど、あのときの温かく優しい感触は今でも忘れてないよ。
まあ、とりあえずさ、いつそっちに行くかわからないけど、気長に待っててくれよ。
そしてもし機会があったら、またアンタの好きなガラクタ集めでもしつつ、二人で商売でもしてみようや。それが定年後の夢だったんだろ?
今までほんとに、ほんとにありがとうな。
この世で最も尊敬する大人――我が父へこの文章を捧ぐ。