よつまお

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異史・三國志

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Self Review

 

中学生くらいの時期に、当時好きだった三国志に影響されてオマージュを考えたもの。

 

誰もが何か物語を読んで想像するifを、三国志という題材にてサマリーした。

 

各キャラクターのイメージも固まっているので、それこそ挿絵も自作しつつ、いずれどこかでリライトしてみたい。

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異史・三國志 陽書・砂馬陣伝

 

砂馬陣。字は陽元。219年ケイシュウレイリョウグン出身。呉に生まれながらコウメイを尊敬し、蜀漢に仕えるため、武芸・兵法を磨く。実力を計るため一度は呉に仕えるが、評価されず、すぐに修行生活に戻る。納得のいく力を身につけ、蜀漢に仕官しようとした間際、リュウビ亡き後、国を支えてきたコウメイが陣中で没する。その後、蜀漢は驚くべき速さで衰退し、諸将は善戦するが国力保持に限界が見えていた。そのときすでに、リュウゼンのために蜀漢が滅亡するのを予期していた陽元は、仕官はあきらめ今までやってきたことに虚しさを感じていた。

 

そんな折、光白というものがたずねて、自身と一緒に旗揚げしてほしいという。最初は疑ったが、話を聞けば聞くほどリュウゲントクの生まれ変わりと思い配下に加わる。

 

漢室再興を夢見る30代半ばのその男は人間的魅力はもとより、政治手腕が人並みはずれていた。ケイヨウ奥地で旗揚げするやいなやすぐに呉と同盟。民中心の仁政により、瞬く間に名声を上げる。そして、領民の中から仕官してくるもの、兵に志願するものが続々と現れてきていた。そればかりか、他国からの亡命してくるものさえいた。最初は気にも留めていなかった呉は次第に警戒を強めていく。

 

陣「光白さま、そろそろ領土拡大のため有能な武将を集めたほうがよろしいかと……」

白「うむ、しかし心当たりは?」

陣「いえ、ですが昔お世話になった水鏡先生の後継者・司馬明殿を訪ねようと思います」

白「よし、吉報を期待しておるぞ」

陣「はい、必ずや逸材を見つけてまいります」

 

そして明の庵を訪ねた。

 

明「よく来た。噂は聞いておる。おっと、何も言わんでもわかっておる。次代の鳳雛・伏竜を探しに来たのじゃな」

陣「はい、我が君は人並みはずれた政治力を持ちながら、非凡な才の持ち主にあえませぬ」

明「ふむ……わしはおぬしが臥竜に値すると思っておるが……まあよい。ジョウヨウにおる馬麟は必ず力になるであろう」

 

馬麟。話ではあの白眉で有名な馬良の子だそうだ。そして険しい道を抜けた先にぽつんとたった一軒家を見つけた。

 

麟「おや?貴方は砂馬陽元殿ですね。話は聞いております。おあがりください」

なんと馬麟は女性であった。司馬明は女性を戦の場に出そうとしているらしい。

陣「それがしは、司馬智明殿に話を聞きまいりましたが、まさか女の方とは……」

麟「なにを言われる。これからの世は変わるでしょう。そなたの国、陽は独裁的な君主国ではなく、私の理想とする法をいくつも整備しておられる。智明殿はそれをわかって私を推挙したのでしょう。我が夢の多異民族国家の実現に、もっとも近い国。後日、姉を連れ、ぜひ仕官にまいりましょうぞ」

 

そのとき砂馬陽元は思う。我と同じ志を持つ逸材がいたと……

 

後日、約束どおり馬麟・馬蒙姉妹がやってきた。馬麟は、先日姉のことについては紹介しなかったが、どうやら女性ではあるが戦術に秀で、この国でも指折りの前線精鋭部隊に入れそうであった。そして彼女は、かのチョウセンの血族だけあり、その美貌は才色兼備の名をほしいままにしていた。

 

白「砂馬陣よ、我が国もそろそろ内政的に苦しくなってきた。戦力も十分な故、領土拡大に乗り出すまいか」

陣「はい、しかしまずはこのあたりの異民族・ブリョウバンを味方につける必要があります」

 

そのとき

 

麟「大変でございます光白さま、蜀漢の埋伏武将・時雨の文によれば、ヒイ暗殺後、ジョウショウとなったトウインが病死、キョウイが大将軍に上るようです。そして、魏の埋伏武将・流石によれば、魏は着々と蜀漢攻略をすすめているようです」

白「なんと、いくらキョウイといえど、今の状態では滅亡は必死。早急に手を打たなければ。いま蜀漢に滅びられては困る」

陣「はい、しかし今のわれわれではどうにもなりませぬ。しかも、呉の埋伏武将・飛鳥の情報によれば、呉の我らの国に対する警戒は集中し、兵力はこちらへ集まりつつあります」

蒙「ならば更に早急策が必要。私にブリョウバン討伐を命じてくだされ。わずか10日で我が軍に引き入れましょうぞ」

麟「しかし我が姉よ、周りを固められている以上、失敗は許されぬ。何か策はあるのか」

蒙「無論。異民族を下等なものと思い、城を攻めるのは下策。つまり心を攻めるのが上策。これこそ我が愚かな叔父の策ではあるが、かのコウメイさえ認めたもっとも有効な策。ぜひ私を最前線に」

白「多少心配は有るが……そちの考え高く買う。そちを領土拡大部隊長に臨時任命する。頼んだぞ」

 

それから5日後、呉のケンギョウへの早馬よりも早く作戦を無事実行して帰還した。

 

麟「なんと、これほどまで早いとは。早急にケイシュウ南部を攻め落としましょうぞ」

白「そうだな、よし、馬蒙よ、部隊長に正式任命するがゆえ、攻略の準備をするのじゃ」

陣「しかし光白さま、ひとつ問題が……おそらく馬蒙が引き入れたのはブリョウバンの東派、すなわちもとは呉と睦を通じていたもの。西派との衝突も予想されますし、信用も出来ませぬ。なによりまだ戦力に若干の不足が否めません」

蒙「なんと、ではどうするのです」

白「では私が蜀漢との同盟を結んでこよう。この状況じゃ、私が行かなければ信用してはくれんだろう」

麟「危険すぎます。せめて私と」

 

後に同盟は大成功した。類まれなる光白・馬麟の弁舌あってこそである。そして機を見計らいとうとうケイシュウ南部を領土とすることに成功。同盟後でも信用していなかったキョウイもさすがに驚いたようだった。しかし、一方で魏と呉は共に警戒を強めていた。リュウビ全盛期の蜀漢の再来だと……

 

時に255年キョウイ北伐中のことであった。その後、魏呉蜀三国の国力の削りあいにより蜀は疲弊、呉は悪政が進み、魏は反乱が後を絶たなかった。そんな中、陽は次々と領土を増やし、名声も得て、国力・人材共に急成長を遂げていた。そしてなにより、多異民族国家の基盤が、着々と築かれつつあった。その後、さらに蜀や他の国からの亡命・仕官があとをたつことはなかった。

 

後世で人々はこう評している。陽建国の功績は砂馬陣にあり、彼はショカツコウメイの再来として世に出てきたのだと。そして諸将は元来の蜀漢の志を持ち、光白はリュウビを超える人徳を持っていたと。

 

 

 

第二部 漢の乱立

 

陽の情勢はより良くなり、ついに蜀漢の禅譲を受け、陽は漢と名乗ることとなった。セイトを本拠とし、着々とジョウゲン回復を狙っていた。

 

大将軍の馬蒙を最前線で待機させ、虎視眈々と長安を狙っていた。そしてこう着状態は急に崩れる。長安で魏と漢の全面戦争が始まった。魏は周辺の異民族を味方につけ、ほほ全戦力を集中してきていた。予想外の士気と戦力に漢は退路を立たれる。そしてキョウイの息子の姜発率いる援軍は間に合わず、ついに大将の馬蒙が捕まる。そしてひとつの大きな星が静かに落ちていくこととなる。

 

その後、漢はジョウショウの砂馬陣と大将軍に後任された姜発とともに、中原を回復し、馬蒙の仇をうつ。

 

そして長安攻めのときに孤児として路頭に迷っていた馬蒙と瓜二つの少女を砂馬陣は自らの後継者として砂馬統と名づけ、教育し始める。その後、砂馬統は砂馬陣の養子となり、才を発揮することになる。後に、砂馬陣は一人の息子を授かり、名を砂馬龍とした。

 

魏をついに北東に追い詰めたとき、陣は急に病の床に伏し、魏攻めは延期となる。療養中に陣は統を呼び、今後の展望や龍の教育、そして正式に統を後継者とすることを伝えた。

 

そしてついに陣も病には勝てず、ひとつの時代の幕が静かに降りていくこととなる。

後に統は双子の女子を産み、姉を砂馬劉、妹を砂馬竜と名づけ、龍とともに教育し始める。

 

その間、魏は力を回復し始め、漢は一時南西に退くことになる。再度魏を追い詰めることに成功するが、その際、統は自ら引退を宣言し、龍・劉・竜に全権を分割させ、3人を後継者とした。統はその後、漢から退き山間で孤児を育て、教育していくことになる。

 

まず龍は自らをジョウショウとし、戦死した姜発の大将軍の後任を劉、そして軍師兼参謀を竜とした。この間、漢皇帝は光白のあとを継いだ、リュウゼンの息子のリュウジンが崩御、息子の劉光が漢を継ぐことになる。

 

それからまもなく呉が漢の属国となる。劉は戦争において、強攻策を決行。そのことで次第に劉と竜は対立し始める。そんな二人を仲立ちしつつ、龍は魏との均衡を保つ。

 

だが龍は配下の裏切りにより失脚、龍は新たに独立して漢とは別に天漢をたてる。

そして劉と竜は一時結び、漢から独立して神漢をたてる。

 

それに刺激されたショカツリョウの孫のショカツショウが漢から分裂し、永漢をたて、劉光は蜀漢を名乗る。

 

四国の攻防の中、竜は神漢から分裂し、陽漢をたてる。

 

そして劉の魏への出撃中に背後をつき、竜は魏と神漢を滅ぼす。劉は戦の中、自らの人生に終止符を打つ。そんななか、龍が病に倒れ、天漢は陽漢に合併し、竜は天漢を引き継ぎ漢皇帝を名乗る。

 

一方、永漢は相次ぐ反乱により、蜀漢に吸収され、劉光もまた漢皇帝を名乗り光漢をたてる。

 

天漢と光漢が大陸を二分し、国力を削りあうことになる。

 

しかしあるとき、呉の残党が天漢内に侵入し、竜は暗殺される。これにより国内は混乱し、次第に天漢は消滅していくことになる。

 

さらに光漢は、大陸の全ての異民族を統べる異民族王の真漢が侵入し、各地で反乱が起き、やがて滅亡していくことになる。

 

そして長い戦乱の後、大陸を統一したのは漢ではなく、隋であった。

 

多くの武将が覇を競い、智謀の限りを尽くした時代は終わり、漢室再興はついになされず、新しい刻が幕開けようとしていた。