四方山話シリーズ。
小さいころ、親(父親もしくは大人の男性・老人)の歯磨き姿を見ていて、いわゆる「オエッ、カー、ペッ」的な現象が起こるのが不思議でしょうがなかった。
なぜなら歯を磨いたところで、自分は決してそうはならなかったからだ。
しかし時は流れ、現在。。
「おえっ」となるようになってるやんけ!w というわけで今回はその原因を探ってみた。
そもそも吐き気の正体は何か
いわゆる「嘔吐反射」だ。咽喉部に異物が触れた際に、反射的に吐き出そうとして吐き気が生じる。人によってその強さ・敏感さには個人差があるものの、これは人間だれしもが持っている防御本能。
しかし問題は子どもの頃には起きない現象が、なぜ大人になってから起こるのか、ということだ。
例えば舌にある味を感じる部分「味蕾」は加齢とともに減少していくことが知られている。つまり口腔内の粘膜は、むしろ大人の方が鈍感になっていくはずなのだ。
歯磨き時の「おえっ」の原因でネット上でよく言われているものとして、
「胃が悪いから(食道が胃酸で荒れて敏感。胃炎に限らず逆流性食道炎も含む)」
「のどが悪いから(気管支炎・咽頭炎・喉頭炎など、つまり慢性的に痰が詰まっているから)」
あるいは単に「喫煙者だから(痰が詰まる→それを出すのが癖になっている→歯磨き時が最適だから)」
、という話がある。
たしかに上記理由は一見その通りに見える。だが、そもそもオエッとくるのは「なぜ歯磨き時」なのか?
そして上記の「どれにも当てはまらない」のにも関わらず、おえっとくる人がいるのはなぜなのか?がいまいち釈然としない。
大人特有の歯磨き環境に由来する説
真の原因を探るには、幼少時と大人になってからの歯磨きの違いを考えてみる必要があるだろう。
1.歯磨き粉のミントの強さ
→大人の歯磨きペーストの香味の方が一般的にはミント感・クール感が強い、より端的に言えば「美味しくはない=まずい」。つまり異物と判断され嘔吐反射を招きやすい。
2.歯ブラシが長い
→大人の歯の方が親知らず等含め、本数が多い。つまり奥歯部分をより磨くために、歯ブラシは当然子供用よりも大型だ。つまりこれも口腔内の奥に歯ブラシが届くことになり、嘔吐反射を招きやすい。
3.ブラッシングが強い・時間が長い
大人になるほど歯周病潜在予備軍は多くなる。つまり歯茎がゆるみ、歯垢がたまりやすい。ゆえに強く・長くしっかり歯磨きを行う習慣が身に着く。それにより嘔吐反射を起こしやすくなる。
4.舌磨きのせい
昨今は口臭予防のため舌磨きをする人も多くなった。例えば幼いころは口の周りの汚れなど気にならなかったものが、大人になると食後に口を拭くようになる。
同じように舌の舌苔も気になるから磨く、すると舌をベーッと出す形になるので嘔吐反射を起こしやすくなる。
大人と子供でブラッシング方法の違いはまだまだあるとは思うが、だいたい上記のような要因が複合的に重なり合って、歯磨き時のいわゆる「おえっ」が誘発されているのだろう、と推察される。
しかしいずれにしろ色々調べてみて分かったことは、やはりほとんど体質に由来するようである。
一方で、歯磨き時に無意識にのどの不快感(つまり鼻水や痰)をスッキリ出そうとして、いつの間にか習慣化してしまった人もいるだろう。
よって決して老化現象、というわけでもなさそうだが、身近な親や大人がやっていたから自分も違和感なく行ってしまう、というある意味「遺伝」的な側面も否定できない。